ドル・円は上昇、FOMC控え米金融引き締め加速を意識-130円台
小宮弘子
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。あすから始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、金融引き締め加速が見込まれる米国と先週金利抑え込みの姿勢を明確にした日本の金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが優勢だった。ただ、日本が連休の谷間で一部アジア市場が休場の中、積極的に上値を追う動きは限られた。
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市場関係者の見方
SBIリクイディティ・マーケット取締役の鈴木亮氏
- FOMCでは50ベーシスポイント(bp)の利上げやQT(量的引き締め)開始が発表されるとみているが、それに向けてセットアップという形でドル・円は買われている
- 日本銀行の緩和方針が維持される中でFOMCで引き締め方向が明確になれば、ドル・円は上方向。5月中にじりじり上がって、135円をタッチするようなことは十分想定できる
IG証券の石川順一シニアFXストラテジスト
- 米10年金利は2.7~2.9%台で止められる状態が続いており、FOMC前にどちらかを一気にブレイクするとは考えにくい
- FOMC前まで米金利の狭いレンジを想定するなら、ドル・円もレンジだろう
りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジスト
- 日銀が緩和的姿勢、一方で米国は週末も利上げ観測がかなり高まっており、ドル・円は底堅い展開が続くが、FOMCを控えて戻ったところではポジション調整の動きも出やすく、一方向に上がる状況ではない
- 市場が年内2.8%程度までの利上げを織り込んでいる中で、FOMCがさらにタカ派になる可能性が低いこと、ある程度FRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派に備えたポジションをとっていることから、FOMCはそれほどドル・円が大きく上がる材料にはならないが、下支えという状況は続くだろう
背景
- 5月3、4両日のFOMC会合では2000年以来となる50bpの大幅利上げが見込まれている
- 米2年債利回りは2日のアジア時間の取引で一時3bp高い2.75%付近に上昇。米10年債利回りは1bp上昇し2.94%前後
- 2日はシンガポールや香港、英国市場が祝日のため休場。中国は4日まで休み
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