中国人民元見通し、外銀7行が下方修正-コロナ悪化で経済に打撃
Bloomberg News-
人民元は今後3カ月でさらに約2%下落-ブルームバーグ調査
-
北京がロックダウンならハードランディングも-ルーミス・セイレス
クレディ・アグリコルCIBやBNPパリバなど外国銀行7行が中国人民元の相場見通しを引き下げた。中国経済が新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けており、今後数カ月で元安が進むと見込んでいる。
人民元が今月3%余り値下がりする中で、フランスの両行に加え、スタンダードチャータード銀行やHSBC銀行などのアナリストも下方修正に動いた。ブルームバーグが別に実施したトレーダーやアナリスト11人を対象とした調査では、人民元は今後3カ月で1ドル=6.7元と、今の水準から約2%下落すると予想されている。
ルーミス・セイレス・インベストメンツ・アジアのシニアソブリンアナリスト、ボー・チュアン氏(シンガポール在勤)は首都の北京がロックダウン(都市封鎖)となればハードランディングする可能性があると懸念している。「最近の元安はまだ終わりではないと思う」と述べ、人民元が年内に6.85元に下落し、来年は7元に達する可能性があると予測した。
中国都市封鎖による経済への影響、衛星画像で鮮明に-公式統計悪化も

今週の本土市場で人民元はほぼ1%下落。27日は6.5615元だったが、オフショア人民元も今週に入り約1%下げ6.5907元となった。
HSBCとBNPパリバは、人民元が6月末までに6.60元に下落すると想定。JPモルガン・チェースは年末までに6.60元に下がるとみている。スタンダードチャータードとクレディ・アグリコルは4-6月(第2四半期)末までに6.70元、バンク・オブ・アメリカとTDセキュリティーズは年末までに6.80元になると予想。
ブルームバーグが調査したアナリストらは先月末時点で、人民元が6月末までに約6.38元になると見込んでいた。
原題:Banks Slash Yuan Forecasts as China’s Economy Reels From Covid (抜粋)