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日銀が指し値オペ運用を明確化、0.25%で毎営業日-緩和維持

更新日時
  • 政策金利のフォワードガイダンス維持、必要あれば躊躇なく追加緩和
  • 2022年度のコアCPI見通しを前年度比1.9%上昇に上方修正

日本銀行は28日の金融政策決定会合で、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策の維持を賛成多数で決定した。連続指し値オペの運用を明確化し、明らかに応札が見込まれない場合を除き、10年国債利回り0.25%で毎営業日実施する。

  政策金利に関するフォワードガイダンス(指針)には変更はなかった。当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を行うとの方針も維持した。

  日銀会合結果の発表を受けて外国為替市場では円売りが強まり、ドル・円相場は一時1ドル=129円87銭と20年ぶりの円安水準を更新した。

  野村証券の美和卓チーフエコノミストは、「現行の金融緩和の堅持・維持の姿勢を強調し、長期金利の変動幅プラスマイナス0.25を変える可能性についても否定した」と分析した。円安を理由にした政策修正の可能性が市場で指摘されていたが「為替に関しての基本的な日銀の評価は変わっていない。あくまで政策の優先順位は2%の物価安定目標の安定的な達成であることを誇示した」と指摘した。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、連続指し値オペの運用明確化について、「方針の変更ではないし、強化でもない。日銀の政策スタンスは何も変わらない」と指摘。フォワードガイダンスに関連して企業の資金繰り支援についての文言が挿入されたことで、「変更されるタイミングが後ずれする可能性がある」との見方を示した。

ドル・円が急伸、日銀が緩和維持-フォワードガイダンスも変更なし 

 予想時点実質GDPコアCPIコアコアCPI
22年度4月2.91.90.9
 1月3.81.1 
23年度4月1.91.11.2
 1月1.11.1 
24年度4月1.11.11.5

(注)単位は%

  経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2022年度の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)見通しを前年度比1.9%上昇(従来1.1%)に上方修正した。携帯電話通信料下落の影響のはく落とエネルギー価格の大幅上昇で「いったん2%程度まで上昇率を高める」としている。

  23、24年度については同1.1%上昇とし、日銀が目指す2%程度の物価安定目標には届かない姿となった。 

  今回のリポートから参考として生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIの見通しも公表した。24年度にかけて緩やかに上昇率を拡大する見通し。

  物価の見通しのリスクについては当面はエネルギー価格を巡る不確実性などを反映して、「上振れリスクの方が大きい」とした。その後は、「おおむね上下にバランスしている」という。

  経済見通しは、22年度は2.9%上昇とし、従来の3.8%上昇から下方修正した。当面は下振れリスクの方が大きいが、その後は「おおむね上下にバランスしている」とみている。 

Bank of Japan Headquarters
日本銀行 (2022年3月18日)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  資源や食料品の価格が高騰する中、輸入物価上昇に直結する円安回避のために、日銀が政策修正を行うとの観測が市場の一部に出ていた。インフレ対応にかじを切る米欧の中央銀行と緩和継続を主張する日銀との金融政策の方向性の違いが、内外金利差の拡大を通じた円売り材料となっている。

  日銀の黒田東彦総裁は金融緩和を継続する必要があるとの認識を示していたが、円安が止まらなければ夏に参院選を控える政治側から日銀への圧力も強まってくる。鈴木俊一財務相は価格転嫁できず賃金も伸びない環境で進む円安は「悪い円安」との認識を示していた。

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(エコノミストコメントを追加しました。コアCPI見通しを上方修正に訂正済みです)
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