コンテンツにスキップする

野村HD、1-3月の純利益310億円-地政学リスクでリテール減速

更新日時
  • 22年3月期の純利益は1430億円と市場予想の平均値1830億円に届かず
  • 地政学リスクや金利動向の不透明感はしばらく続くと北村CFO
A branch of Nomura Securities Co., a unit of Nomura Holdings Inc., at dusk in Tokyo, Japan, on Monday, April 25, 2022. 

A branch of Nomura Securities Co., a unit of Nomura Holdings Inc., at dusk in Tokyo, Japan, on Monday, April 25, 2022. 

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

国内証券最大手の野村ホールディングスが26日発表した2022年1-3月期(第4四半期)連結決算によると、純損益は310億円の黒字だった。前年同期は、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引による巨額損失で、1554億円の赤字を計上していた。

Nomura Targets Europe For Job Cuts
野村ホールディングスのロゴ
 

  1-3月期の部門別の税前損益は、ホールセール部門が370億円の黒字(前年同期は1659億円の赤字)に回復した。一方、地政学リスクの顕在化などを受けて顧客の投資マインドが低下し、国内リテールを担う営業部門が前年同期比8割減の52億円に落ち込んだほか、投資先の評価損などでインベストメント・マネジメント部門は88億円の赤字となった。

第4四半期の主な収益(増減は前年同期との比較)
  • 収益合計は78%増の4059億円
    • 委託・投信募集手数料は27%減の752億円
    • 投資銀行業務手数料は2.0%減の340億円
    • アセットマネジメント業務手数料は14%増の689億円
    • トレーディング損益は1189億円の黒字(前年同期は969億円の赤字)

  この結果、22年3月期通期ベースの純利益は前の期比6.6%減の1430億円となり、アナリスト予想の平均値1830億円を下回った。

決算は巡行速度とCFO

  1-3月期の海外拠点の税前損益は、米州が194億円の赤字(前年同期は2037億円の赤字)、欧州が42億円の赤字(同98億円の黒字)、アジア・オセアニアが39億円の黒字(同132億円の黒字)。合計では197億円の赤字(同1806億円の赤字)だった。

  同四半期は、野村総合研究所株式の一部売却益428億円を計上した一方で、投資先の米アメリカン・センチュリー・インベストメンツ(ACI)関連損失188億円、08年に起きたリーマン危機以前の住宅ローン担保証券(RMBS)買い取り請求事案で約230億円の費用をそれぞれ計上した。同事案関連は通期で約620億円の費用となったが、処理はほぼ終了したとしている。

  電話会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は、第1四半期にアルケゴス関連とみられる損失を計上したことも合わせ、22年3月期決算について「かなりいろいろな特殊要因があった」と指摘。それらを除いた自己資本利益率(ROE)は7%台だとして「当社の巡航速度だ」と総括した。また「地政学リスクや金利動向の不透明感はしばらく続く」とも述べた。

失望招くとの見方も

  期末配当は1株当たり14円(前年同期は15円)とする。年間配当は同22円(同35円)。発行済み株式数の1.5%、300億円を上限とする自社株買いの実施も発表した。取得期間は5月17日から23年3月31日まで。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一シニアアナリストは「市場環境が悪かったとはいえ、リテールの大幅な減益や投資銀行部門の弱さが目立つさえない決算だった」と分析。ACIについては「何度も業績の足を引っ張っており、そろそろ投資を続けるべきか説明が求められるのでは」と語った。

  また、自社株買いの水準については「19年度の1500億円、21年度の500億円に比べて見劣りがする」と指摘。株価への影響については、減配もあって市場の失望を招く可能性があるとの見方を示した。

(市場関係者のコメントを追加するなどして記事を更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE