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日銀会合後も円安進行か、政策の微修正では止まらないとの声

更新日時
  • 村嶋氏「政策据え置きなら一段の円安ドル高進行する可能性が高い」
  • 山本氏「経済にプラスとの認識が維持されれば円売り安心感が再燃」

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外国為替市場のドル・円相場は、日本銀行が今週開く金融政策決定会合の後も円安基調が続くとみられている。金融政策は据え置き予想が大勢で、仮に微修正があっても円安の流れを変えるのは困難との声が市場関係者から聞かれる。

  ブルームバーグ調査によると、エコノミストの9割が28日の決定会合で現状維持を予測。政策金利のフォワードガイダンス(指針)を引き締め方向に修正するとの予想は1割にとどまった。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、日米金利差と日本の貿易赤字を材料にするドル高円安は「米国要因が落ち着くまで簡単には終わらないだろう」と指摘。米国がインフレ抑制に向けて連続利上げとバランスシート縮小で対応していくことを考えると、「日銀が小手先の政策修正でやったふりをした所でその差は縮まらない」と言う。

ドル円相場の推移
 
 

  日銀の黒田東彦総裁は22日、ニューヨークのコロンビア大学で講演し、物価上昇率はエネルギー価格の上昇を主因に2%程度となる可能性があるとしながらも、そのマグニチュード、広がり、背後にある経済状況は米国と大きく異なると言明。日銀は物価目標の安定的な実現に向けて「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」と述べた。

  シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「日銀が今会合で円安対応のための政策変更を緊急避難的に実施する可能性は低い」と指摘。予想通り政策が据え置かれれば「一段の円安ドル高が進行する可能性が高い」とみる。

  黒田総裁は18日の国会答弁で、為替が経済に与える影響について「非常に大きな円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」と述べる一方で、円安が全体としてプラスという評価は変えたわけではないと語った。みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「記者会見で円安は全体として日本経済にプラスという認識が維持されれば、円売り安心感が再燃するだろう」と言う。

  鈴木俊一財務相はイエレン米財務長官との21日の会談後、「直近の円安が急激であることを数字で示した」と述べた。みずほ証の山本氏は「当局からの円安懸念発言が続いているが、目先の実弾介入につながるものではない」と指摘。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議やG20でも円安懸念は共有されなかったため、ドル・円相場は「米金利上昇とともに再び上昇しやすくなっている」と語る。

  ドル・円相場は20日に一時1ドル=129円40銭と20年ぶりの円安水準を更新。その後は一時127円台まで戻したが、週末22日のニューヨーク市場で再び129円台を付け、足元では128円台後半で推移している。SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは「予想された通りG20で円安についての特別な文言はなく、ドル・円は再び129円から130円を試してゆく可能性がある」とみている。

(第4段落に黒田総裁の22日の講演内容を追加して差し替えます)
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