米フロリダ州議会、ディズニーから自治の特権剥奪する法案可決
Nathan Crooks-
デサンティス知事とディズニーの対立はさらにエスカレートへ
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性自認や性的指向に関する学校教育を制限する州法案巡り対立
共和党が多数派の米フロリダ州議会は、エンターテインメント大手ウォルト・ディズニーから同州内での自己統治の特権を剥奪する法案を可決した。デサンティス知事とディズニーの対立をさらにエスカレートさせることになる。
州議会下院は21日、1967年にオレンジ、オセオラ両郡内に設置され、ディズニーに自治権を与えている「リーディクリーク改善地区」やその他の同様の地区を2023年6月1日をもって廃止する法案を賛成70、反対38で可決した。20日には上院を通過しており、今後は署名のためデサンティス知事に送付される。
性自認や性的指向に関する学校教育を制限する内容の州法案をディズニーが批判して以来、同法案を支持するデサンティス知事との対立が深まっている。同知事は24年大統領選の共和党候補指名を目指す可能性があるとみられている。

デサンティス知事のクリスティーナ・プショー報道官は21日、同知事が「フロリダ州の全てのビジネスのため条件をより平等にする」ことを支持しているとコメント。報復措置ではないとした。
ブルームバーグの集計データによると、リーディクリーク改善地区の地方債残高は現時点で約10億ドル(約1290億円)。これについて誰が最終的に返済義務を負うのか、半世紀余りにわたる自治権を失うディズニーがどのように対応するかなど不確実性が生じている。
Florida Targets Disney’s Reedy Creek Improvement District
The company holds quasi-governmental authority in the area
同地区は21日の声明で、フロリダ州が地方債保有者との契約条件を満たすことを約束したと説明した。
ジャンピエール米大統領副報道官は大統領専用機内で記者団に対し、性的指向を巡る法案への「反対を理由に知事が行動を取ることにわれわれは反対する」と発言した。
ディズニーは州議会の採決についてコメントを控えている。
原題:
Disney Set to Lose Perks as Florida Lawmakers Back DeSantis (2)(抜粋)