ウォール街、レバレッジドローン今は好まず-金利上昇で慎重姿勢に
Tracy Alloway-
ローンに連動する投資信託とETFにこれまで多額の資金が流入した
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資金調達コストの上昇が借り手企業に最終的に打撃を及ぼす恐れ
ウォール街の金融機関は、利回りを確保できると同時に金利が上昇し始める場合も一定のプロテクション(保障)を提供する金融商品として、レバレッジドローンを何年も投資家に売り込んできた。
レバレッジドローンは指標金利の変動に合わせ金利がリセットされるとうたい、より高いリターンの可能性を投資家に提供する金利上昇局面の完璧な商品になるはずだった。レバレッジドローンに連動する投資信託と上場投資信託(ETF)にはこれまで多額の資金が流入した。
しかし、米連邦準備制度が数十年ぶりの急ピッチな利上げに動くと予想される現状では、ジャンク級(投機的格付け)の企業に供与される変動金利ローンをウォール街の金融機関は厳しい目で問い直し始めた。
資金調達コストの上昇がこれらの企業に最終的に打撃を与えることはないか、リセッション(景気後退)の引き金となったり、需要を抑制したりすることなく、連邦準備制度が利上げを通じてインフレを沈静化させることができるか、そこが問題だ。

出典:ブルームバーグ
シティグループのマイケル・アンダーソン氏を中心とするアナリストらはリポートで、「ローンの変動金利クーポンが、この資産クラスの今年の人気とアウトパフォーマンスの主な理由だ。同時に変動金利の債務者は基準金利の急変にさらされている」と指摘。その種のローンの仕組みが最近変わったことを考えれば、「基準金利上昇がローンの借り手のファンダメンタルズに及ぼす脅威は、これまでに比べ大きい」との見解を示した。

出典:バークレイズ

出典: ゴールドマン・サックス・グループ
原題:
Wall Street Is Souring On Its Favorite Product for Rising Rates(抜粋)
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