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クレジット売却益は2倍強に、米規制強化による一時的恩恵とCFO
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今年の生産は150万台以上に拡大するペース-マスクCEO

A Tesla Inc. logo is reflected in the glass of a closed showroom at a nearly-empty shopping mall in San Diego, California, U.S., on Tuesday, May 5, 2020.
Photographer: Bing Guan/Bloomberg電気自動車(EV)メーカーの米テスラが20日発表した1-3月(第1四半期)決算では、利益と売上高が市場予想を上回った。力強いEV需要が業績を支えた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、サプライチェーンの問題が続いても生産が年内に加速すると見通しを示した。
米大手自動車メーカーの先陣を切って1-3月期決算を発表したテスラは市場予想を上回る過去最高益を記録した。ただ、主要部品の不足で生産がなお抑制されている。
中国・上海市による新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)で同社工場は操業停止を余儀なくされたが、マスクCEOは同工場における年前半の生産の落ち込みを穴埋めできるとし、「第3四半期と第4四半期にはかなり上向き」今年の生産が150万台以上に拡大するペースにあると20日の電話会見で述べた。昨年の世界出荷台数は約93万6000台だった。

発表資料によれば、1株利益は一部項目を除いたベースで3.22ドル。売上高は188億ドル(約2兆4000億円)に増加した。アナリスト予想平均は、1株利益が2.27ドル、売上高が179億ドルだった。
規制クレジットの売却益は6億7900万ドルと、前四半期の2倍強に増えた。ザック・カークホーン最高財務責任者(CFO)はクレジット売却益の伸びについて、米国の排ガス規制強化に関連した2億8800万ドルの一時的恩恵が主因だと説明。その押し上げがなければ「クレジット収入は前年同期比で減少していた」と付け加えた。
テスラの株価は決算発表後の時間外取引で一時7.1%高の1046.99ドルを付けた。通常取引終値は前日比5%安の977.20ドル。
利益率の高い車種の販売増加や経費削減が寄与し、テスラの自動車事業の粗利益率は32.9%に改善した。テスラ株の投資判断を「アウトパフォーム」とするクレディ・スイスのアナリスト、ダン・レビー氏は、利益率上昇は「意外な好材料」だと指摘した。
テスラは3大陸で事業を拡大している。カリフォルニア州と上海の既存工場に加え、テキサス州オースティンとドイツのベルリンでも新工場を開設しており、これらが年間成長率50%目標の達成に貢献する見通し。
原題:Tesla Notches Record Profit, Sees Big 2022 Production Gain (2)(抜粋)