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ECB、7月利上げもあり得る-カザークス氏

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  • 「漸進的というのは遅いという意味ではない」
  • 技術的リセッションに陥るリスクは「小さくない」
Martins Kazaks, board member of Latvia's central bank.

Martins Kazaks, board member of Latvia's central bank.

Photographer: Evija Trifanova/LETA/Latvia Central Bank

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、カザークス・ラトビア中銀総裁は、7月の利上げもあり得ると発言した。「顕著な」インフレリスクがあると指摘、年内に恐らく追加引き締めも必要になるだろうとの認識も示した。

  同氏は現在マイナス0.5%の中銀預金金利が年内にゼロに達するとの市場予想に反論はしないと述べた。金利が現在の「魔法の数字」に必要以上に長く維持される必要はないとも主張した。

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  カザークス氏はブルームバーグとのインタビューで、「7月利上げはあり得ることで、今年後半について市場が織り込んでいる展開に異を唱える理由が私にはない」と語った。「ECBは着実に政策正常化の道を歩んでおり、段階的で漸進的なアプローチで金利をまずゼロに、そしてプラスにしていく」と述べた。

Inflation Outlook

War in Ukraine could severely fan price euro-area price pressures

Source: ECB

  ユーロ圏のインフレ率が過去最高の7.5%を付け、さらに上昇している中で、当局者らは年内の金融緩和解除に向けて進んでいる。短期金融市場は7月の0.25ポイント利上げ確率を50%余りと見込み、9月と12月の0.25ポイント利上げを完全に織り込んだ。

  ウクライナの戦争が経済に与える影響を考えECBは慎重に行動する必要があるが、米連邦準備制度とイングランド銀行(英中銀)に比べ遅い動きは、インフレリスクを軽視しているとの批判も呼ぶ。

  カザークス氏は「漸進的というのは遅いという意味ではない。意識的に出遅れるということでもない。そうではなく、政策措置が適切かどうかを確認するという意味だ」と語った。

  現時点では0.25ポイント利上げが「適切と思われる」とした上で、経済指標次第でより大幅な利上げを検討することは常に可能だと付け加えた。現在のインフレデータはECBが賃金上昇加速を待つべきではないことを示しており、物価上昇圧力や景気が大幅に弱まったとしても、政策正常化が遅れることはあっても止まることはないと強調した。

  政策委は2015年に開始した債券購入プログラム(APP)の終了が利上げの前提条件だと明言している。この決定が6月8、9両日の会合の議題となる。

  カザークス氏は「金融市場に大きな緊張は見られない。従って、7-9月(第3四半期)の早い段階での量的緩和(QE)終了が可能であり適切だと思われる。6月末に可能かどうかは最新の経済予測を入手した時点で協議する必要がある」と語った。

Back to Zero

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Source: Bloomberg

  経済見通しに対するリスクについては、新型コロナウイルス禍やサプライチェーン、ウクライナでの戦争を指摘し、景気は恐らくECBが3月に公表した「逆境シナリオ」の方に近いとの認識を示した。技術的なリセッション(景気後退)に陥るリスクは「小さくはない」とも述べた。

原題:ECB Interest-Rate Increase in July ‘Is Possible,’ Kazaks Says(抜粋)

(第3段落以降を追加します)
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