コンテンツにスキップする

プーチン大統領のルーブル払い命令、EUはロシア産ガス事実上禁輸か

  • プーチン氏の命令に従えば制裁違反と欧州委の法律家が予備的分析
  • EUは天然ガスの40%をロシアから輸入-代替エネルギー探しに時間

欧州連合(EU)とロシアはロシア産天然ガスの輸出入を事実上禁止する可能性がある。代金をルーブル建てで支払うよう義務付けたロシアのプーチン大統領の大統領令に従えば、EUの制裁に抵触するとの予備調査結果をEUの行政執行機関である欧州委員会の法律家らはまとめた。

  ドイツなどの国は、プーチン大統領のルーブル払い要求がロシアによるウクライナ侵攻に対して発動した制裁に違反するとしたEUの最初の評価を引き続き精査中。オランダはEUの法的な分析に照らし、新しい支払いシステムを拒否するようにエネルギー会社に指示した。

  ロシアが、EUと企業の今後の対応に影響を与え得る大統領令について、説明や調整を加える可能性はなお残る。ロシアはエネルギーを購入する欧州諸国から1日当たり10億ユーロ(約1370億円)を受け取っており、EU制裁の影響軽減につながっている。

  ルーブル払い命令に従わない相手には供給を遮断するとの姿勢をロシアが実行に移した場合、天然ガスの40%をロシアに依存するEUには深刻な脅威となる。EUは代替のエネルギー源探しを急いでいるものの、移行には時間を要する。EUは6回目の制裁パッケージに取り組んでいるが、ロシア産エネルギーを標的にする措置は、依存度が高いだけに緊張をはらむ。

  経済機関の共同予測によると、天然ガス供給が直ちに断ち切られた場合、ドイツは今後2年間で国内総生産(GDP)に2200億ユーロ規模の打撃を受ける恐れがある。これは年間GDPの6.5%に相当し、来年は2%以上の景気後退に陥る可能性がある。

Share of natural gas imports coming from Russia, 2020

Sources: Eurostat, U.S. Energy Information Administration, Austria's Ministry of Climate Protection

Note: Data for 2020 are not available for the U.K. and Bosnia-Herzegovina, 2019 data are shown in those countries. Norway imported 10 million cubic meters of gas from Russia in 2020, but as a net exporter is not dependent on Russian imports.

  ロシアのプーチン大統領は3月31日、「非友好国」のガス購入者は国営ガス会社ガスプロム傘下のガスプロムバンクに外貨とルーブルの2つの口座を開設するよう定めた大統領令を発表。ガスプロムバンクは外貨での支払いをルーブルに転換してからガスプロムに送金する仕組み。

  関係者によると、欧州委の法律家による予備的分析では、このシステムを使った支払いはEUの制裁違反となる。欧州委はこの分析を先週、加盟国に伝えており、各国政府はロシアとのガス契約を結んでいる150社に通知する必要がある。EUは加盟国や企業を支援するためさらなるガイダンスを提示する計画だという。

原題:Putin’s Ruble Standoff With Europe Risks De Facto Gas Embargo(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE