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生保は米債投資積極化か、円安定着でオープン外債選好も-市場の見方

  • 利上げ織り込み限界、米国債で得られるもの大きい-アセマネOne
  • 円相場のレンジブレイクは重要なメッセージーニッセイアセット

生命保険会社は2022年度の債券投資で、米国債を増やすと市場関係者はみている。米国の長期金利が約3年ぶりの高い水準に達するなど日本との金利差が鮮明になっている。円安基調が続く中、為替リスクのヘッジをしないオープン外債が選好されるとの見方もある。

  アセットマネジメントOne債券運用グループの竹井章ファンドマネジャーは、生保勢の米国債投資について、「新年度のこのタイミングで金利が上がってきたことを考えるとスタートしやすい。何しろ9回から10回の利上げを織り込んでいて、さらなる利上げの織り込みは限界があると思っており、むしろここから得られるものの方が大きい」と言う。

  米国債投資は為替リスクを伴うが、ドル・円相場は金融引き締めに動く米国と金融緩和を続ける日本の金利差から円安傾向となっており、米債投資を後押しするとみられている。

  ニッセイアセットマネジメント債券運用部の三浦英一郎リードポートフォリオマネジャーは、米金利は「年度末にあれよあれよと上がってしまったので手が引けているかもしれないが、キャリー(金利収入)が確実に上がるので、少しオープン外債のウェイトを引き上げる生保も多いのではないか」と話す。

  米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25ポイントの引き上げた。市場では5月や6月開催のFOMCでの0.50ポイントの利上げを含め、0.25ポイント換算で計9回程度の利上げを織り込んでいる。米10年国債利回りは12日に18年12月以来の2.8%台まで上昇した。

米10年金利(ヘッジ付きおよびヘッジ無し)、日本の30年金利の推移
 
 

 

  一方、ドル・円相場は13日に約20年ぶりの高値を更新した。ニッセイアセットの三浦氏は、今後のドル・円相場の展開については見方が分かれるとしながらも、「長い間超えられなかったレンジを超えたことは重要なメッセージだと思うので下がりにくい」と話した。

ヘッジコスト

  米政策金利の本格的な引き上げは為替ヘッジコストの一段の上昇となり、ヘッジ付き米債投資が敬遠される一方、ヘッジをしないオープン債は選択肢になりやすい。三菱UFJ国際投信債券運用部の樋口達也エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、「長期ゾーンの金利がちゃんと下がってくるならヘッジコストを払ってもいいと思える感じだが、そこがまだみんな確信持てない」と指摘。その上で、「米長期国債を為替オープンで投資している方が想定されるいろいろなリスクに耐えられる可能性が高いと思う」と述べた。

ドル・円とヘッジコストの推移
 
 

 

  一方、為替レートの振れが運用益に影響するオープン外債は大きく増えないとの見方もある。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ運用部の横谷宏史マネージング・ディレクターは、「日本銀行の政策が今のままということを前提にすると、米国で9回利上げまで進んでいくのであれば、130円に向かっての円安の可能性は十分ある」と指摘。その上で、「コストが上がるのでヘッジ付きは買いづらいというのはあるが、かなり円安で新年度に入っていることもあり、ここから積極的にオープンを増やしていくというのは難しいと思う」と話す。  

 

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