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ソフトバンクG出資のホテル会社、日本上場に意欲-10億円超す投資も

  • 4月にオヨ・ジャパンからタビストに社名変更、日本特化を鮮明に
  • 来年3月までに加盟施設300、部屋数1万まで増やすと田野崎社長

ソフトバンクグループとインドのOYO(オヨ)が出資し、日本でホテル運営を手掛けるTabist(タビスト、東京都港区)の田野崎亮太社長は、日本での株式上場に意欲を見せる。ブランドイメージの早期浸透を図るため、10億円超を投じてマーケティングも強化し、運営施設の増加につなげたい考えだ。

  田野崎社長はブルームバーグのインタビューで、新規株式公開(IPO)について、知名度の向上と資金調達の手段として「もちろん上場したい」と述べた。同時に上場は「通過点」であり、「宿泊施設の個性を生かす仕組みを提供するというミッションを徹底的にやり抜いていく」ことが重要だと話した。

Tabist Co. CEO Ryota Tanozaki
田野崎社長
Source: Tabist Co.

  タビストは1日、これまでのグローバルな均質ホテルチェーンのイメージに対し、日本に特化した姿勢を鮮明にするため、社名をオヨ・ジャパンから変更した。

  現在の株主構成はソフトバンクGのビジョン・ファンドと国内通信のソフトバンクが90%、オヨが10%。オヨを運営するオラベル・ステイズは昨年、IPOの計画を当局に提出したが、株式相場の低迷などを理由に調達規模を半減するか、計画の棚上げも検討していることが分かっている。

  田野崎社長は「インドのオヨはオヨ、タビストはタビストで独自に経営判断をしていく」とし、日本独自の上場もあり得るとの認識を示した。

  オヨは2013年に当時19歳のリテッシュ・アガルワル氏が創業した。低価格ホテルを改装し、人工知能(AI)を使って需要の予測や客室料金を決定する仕組みを導入。ソフトバンクGの孫正義社長もアガルワル氏を評価し、同氏とそのビジネスを支えてきた経緯がある。

  日本では、新型コロナウイルス感染症の影響で海外からの観光や出張需要が急減したことから経営難に陥り、20年6月末までに国内8カ所の地方拠点のうち5カ所を閉鎖。一部社員に退職勧奨を行うなど大規模な経費削減を行った。今回の社名変更を機に、日本国内のローカルニーズにあったブランド構築を進める。

  タビストの社員は現在約100人で、加盟ホテルと旅館の数は全国で約240施設、部屋数は約7000。田野崎社長は、4月からの1年間でマーケティングや人材獲得に10億円超を投資し、23年3月までに加盟数を300施設、部屋数を1万まで増やす計画を明らかにした。

  田野崎社長によると、長野県立科町の女神湖にあるリゾートホテルが今月27日、タビストのチェーンに新規加盟する。家族で偶然訪れ、景色と地元食材を使った料理を気に入り、翌朝オーナーシェフに名刺を渡したのが契約のきっかけだった。今後は同社のAIを使った予約システムが導入され、宿泊者には料理や現地でのアクティビティーを楽しんでほしいと同社長は語った。

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