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中国コロナ死亡率の低さ、論争招く-感染の全体像開示せずとの臆測も

  • 現在の流行、中国の死亡率はニュージーランドの10分の1
  • 中国では高齢者のワクチン接種率も国産ワクチンの効果も低め

中国で新型コロナウイルスが再び猛威を振るい始めてから2カ月近くたつが、報告された死者数はわずか2人だ。中国よりワクチン接種率が高い国と比べても死亡率が極端に低いことから、議論を呼んでいる。

  今回の流行局面で中国が発表した感染者数は最初の6週間で38万6000人余り。4月13日までに感染した10万人当たりの死者数は約0.5人となる。2人の死者は東北部の吉林省で報告され、金融センターの上海市では今のところ死者は出ていない。

  国家衛生健康委員会は15日、本土のコロナ新規感染者が14日は2万4166人だったと発表。上海は症状のある感染確認が3200人、無症状が1万9872人だ。

Omicron Deaths

China's toll is far lower than even more vaccinated countries

Source: Johns Hopkins University CSSE

Note: Shows daily deaths per million people, 7-day rolling average. Outbreak start dates are based on government announcements

  ブルームバーグ・ニュースのデータ分析によると、中国は同じように感染力の強いオミクロン変異株が広がったシンガポールや韓国、オーストラリア、ニュージーランドとは対照的だ。これらの国の一部はうまくコロナを抑え込んできたことで知られ、ワクチン接種率も高水準だ。

  65歳以上の95%超がワクチン接種を完全に済ませたニュージーランドでは、オミクロン株流行の最初の5週間で死者数は4人にすぎなかったが、その後急増。6週目までに死亡率は感染者10万人当たり5人に増えた。60歳以上の接種完了率が81%にとどまっている中国の10倍だ。

  こうした相違は専門家の目を引いている。

  オーストラリア国立大学医学部のピーター・コリニョン教授は「中国で報告されている死亡率は懐疑的というのが私の結論だ」と述べる。オミクロン株が今中国で流行していることを踏まえると「上海が他のオミクロン感染拡大地域と違う状況になっているのは少し信じ難い」との見方だ。

  新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が2020年初頭に始まった湖北省武漢市での経験と、習近平政権が堅持する「ゼロコロナ」政策に配慮し、中国は今の感染状況を完全には開示していないのではないかとの臆測が生じている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は今月、最近コロナ感染に見舞われた上海の高齢者介護施設で少なくとも20人が死亡したが、死因は不明のままだと報じた。

中国の習主席、「ゼロコロナ」緩和せず-上海では住民の不満あらわ

  ブルームバーグが話を聞いた専門家によれば、中国では高齢者のワクチン接種率が比較的低く、国産ワクチンの効果も低めであることから、オミクロン株のまん延で死亡者が増えることは十分あり得る。そのため、報告された死者数が変わらないということが疑念を招いている。

Omicron Defense

China is still lagging world's top performers in vaccinating its elderly

Sources: government data, Bloomberg

  中国では高齢者のブースター(追加免疫)接種率はわずか57%。感染に厳しく対応するゼロコロナ政策はオミクロン株流行前はうまく機能していたが、このことは中国国民の間に自然免疫がほとんど形成されていないことを意味する。

  コリニョン教授によると、中国の全体的なワクチン接種率は88%と良好だが、世界的にはもっと高い国もあるため、死亡率は感染者10万人当たり少なくとも100人になるはずだ。

  上海と多くの類似点があるのが香港だ。多くの住民に中国製ワクチンが投与され、直近の流行前の高齢者ワクチン接種率は中国本土よりも低かった。香港では今回の流行で8700人余りが亡くなり、感染者10万人当たりの死者数は739人となっている。

原題:China’s Covid Deaths Data Questioned as Tally Lags Other Nations、China Reports 24,166 Local Covid Cases for April 14 (抜粋)

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