【債券週間展望】長期金利は0.25%付近で推移か、指し値オペ上昇抑制
延広絵美4月第3週(18-22日)の債券市場で長期金利は0.25%付近で推移すると予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め観測から金利上昇圧力が掛かりやすいが、国内の長期金利は日本銀行が許容する上限0.25%付近では指し値オペの実施で上昇が抑制されるとみられるためだ。
市場参加者の見方
◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト
- 米金利上昇でも日本は指し値オペでそれには追随しない構図。米金利低下であればある程度連動する可能性はある
- 日銀の指し値オペ実施は、長期金利0.245%が目安だろう。到達するかは、米金利と日銀会合への思惑次第となる
- 週内は流動性供給入札2回のみで需給面では大きな材料はない。長期金利は高値もみ合いで、0.25%を上限に方向感は出にくい
- 27、28両日の日銀政策決定会合に徐々に注目が集まっていくが、イールドカーブコントロール(YCC)修正のような決定は想定されておらず、大きく金利が動くことはない見通し
- 新発10年債利回りの予想レンジは0.225%~0.245%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 国内市場にはあまり注目材料が見当たらない中で、米債券相場をにらみながらとなろうが、相場の方向感は定まらず、膠着(こうちゃく)状態が続くだろう
- 携帯電話通信料引き下げの影響がはく落する4月以降の消費者物価は、目標の2%の上昇率に近づいていくとみられ、物価動向への市場の注目度は高まっている。為替市場では円安が進んでおり、物価上昇への警戒感は今後さらに高まるとみられ、国債利回りの低下を抑える要因になろう
- 大型連休を控えて下値では投資家の押し目買いが続くだろう。流動性供給入札が2回予定されているが、市場の需給環境は良好と思われる
- 新発10年債利回りの予想レンジは0.210%~0.250%
国債入札予定
対象 | 発行予定額 | |
---|---|---|
19日 | 流動性供給 (残存期間5年超15.5年以下) | 5000億円程度 |
21日 | 流動性供給 (残存期間15.5年超39年未満) | 5000億円程度 |
日銀買い入れ予定
対象年限 | 買い入れ予定額 | |
---|---|---|
20日 | 1年超3年以下 | 4750億円 |
3年超5年以下 | 4750億円 | |
5年超10年以下 | 5000億円 | |
10年超25年以下 | 1250億円 |
主な材料
- 18日:国際通貨基金(IMF)・世界銀行、春季会合(24日まで)
- 18日:1-3月期の中国国内総生産(GDP)
- 19日:IMF世界経済見通し
- 20日:3月の貿易収支発表
- 20日:20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議
- 21日:IMF主催のパネル討論会、パウエルFRB議長とラガルド欧州中央銀行総裁が参加
- 22日:3月の全国消費者物価指数(CPI)
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