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物々交換で食料不足しのぐ上海市民、現金には頼れず-都市封鎖3週目

  • 住民らはテンセントの微信などメッセージアプリを利用
  • 人気の食品は新鮮な果物と野菜-おむつや粉ミルクの需要も大きい

中国の金融センター、上海では今、現金はあまり役に立たない。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため厳しいロックダウン(都市封鎖)が続き、外出を禁じられ食べ物や生活必需品が入手困難となった多くの人々が頼り始めたのは、隣人たちとの物々交換だ。

  感染力の強いオミクロン変異株の拡散を阻止するため上海市が講じている広範な移動規制はすでに3週目に入る。規制により上海に向かう物流が滞っているほか、配達員も足りない。食べ物がなくなり始めたケビン・リンさん(26)と3人のルームメートは、隣人たちとの物々交換を試してみた。

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Shanghai Residents Barter
隣人との物々交換に応じるステファニー・グーさん
Source:Stefanie Ge

  リンさんはソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」のグループチャットを利用。同じ集合住宅の住民にロックダウン前に多くのティッシュペーパーを買い込んでいたことを伝え、即席麺などの食品と交換したいと呼び掛ける投稿を9日に行ったところ、5分足らずのうちに3人から返答があった。牛肉風味やスパイシーな四川風といったさまざまな種類の即席麺があると伝えられた。

  こうした取引で活躍するのが、テンセント・ホールディングス(騰訊)の微信など中国で人気のメッセージアプリだ。やり取りを通じて取引が成立すれば、相手に提供する食べ物や必需品を玄関前に置くだけだ。外出できない住民にとって特に人気の食品は新鮮な果物と野菜で、おむつや粉ミルクの需要も大きい。

  こうした物々交換に現金が用いられることはあまりないという。今の状況で、現金を持っていてもそれほど有用ではないためだ。現金を受け取るくらいなら、無料であげたいと言う住民も多い。

  上海に小さなコンテンツ制作会社を所有しているステファニー・グーさんは、ハムやビール、果物、デザートと何でも交換しているが、「どういうわけかお金自体の価値は下がっている」と語る。その一方で隣人たちとの「良好な関係と連絡はかつてないほど重要になっている」のだそうだ。

新型コロナの感染拡大を阻止するため厳しいロックダウンが続く中で、外出を禁じられた市民に食べ物や生活必需品が十分に行き渡らず、多くの人々は隣人たちとの物々交換に頼り始めている
Source: Bloomberg

原題:Locked-Down Shanghai Residents Barter for What Money Can’t Buy(抜粋)

 

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