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ロシア軍、マリウポリで毒物使用したとの報告-実証は困難か

更新日時
  • 米国防総省は毒物を使用したとの報告を注視
  • リン爆弾が要因である可能性とウクライナ国防次官
マリウポリ市内で被害を受けた建物(ウクライナ、4月12日)

マリウポリ市内で被害を受けた建物(ウクライナ、4月12日)

Photographer: Andrey Borodulin/AFP/Getty Images

米国防総省はロシア軍がウクライナ南東部の港湾都市マリウポリで毒物を使用したとの報告を注視していると明らかにした。化学兵器と確認されれば戦況はさらにエスカレートする恐れがある。ただ実証は難しそうだ。

  こうした疑惑はウクライナの「国家親衛隊」に統合された右派の準軍事組織「アゾフ大隊」が示した。ウクライナ側は最後の抵抗に向け市内の広大な製鉄所に後退している。

 

  アゾフ大隊は一部市民や兵士が苦しんでいる様子を撮影した動画を投稿。顔面紅潮や胸やけ、粘膜炎症、目の乾燥などの症状に見舞われたとしている。

  兵士1人は、白い煙が見えてすぐに耳鳴りがして極度の脱力感に陥り、10メートル離れたシェルターに引き返すのもやっとだったと述べた。換気装置からも同様の煙が排出され、その下にいた人たちにも症状が出たという。

  ただ製鉄所で火災が発生しロシア軍に遮断された状況にあって、環境・生物医学上の検体を確保するのは難しそうだ。米陸軍化学部隊に所属した後に化学・生物兵器準備に関する米政権顧問となったダン・カスゼタ氏は「目撃証言や症状だけに頼るのは基本的にほぼ不可能だ」と語り、こうした検体は毒物の特定に必要になると指摘した。

  ウクライナのハンナ・マリャル国防次官はテレビで、この出来事について調査中だが、暫定的な見立てとして化学兵器には分類されないものの、人体に深刻な被害を及ぼすリン爆弾が要因の可能性があると述べた。

  米国防総省高官は同省で記者団に対し、化学兵器の使用は確認できていないとし、状況を注視していると述べた。ただ催涙ガスの使用に限られた可能性があり、そうでなければもっと広く拡散したと考えられると語った。

原題:Russia Faces Hard-to-Verify Claims of Chemical Arms in Mariupol(抜粋)

(4段落目以降に当局者の発言などを追加して更新します)
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