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SPACのワラント売買急増で米SECが調査、888%の潜在利益も

  • 白紙小切手会社の合併発表前に4件に1件の割合でワラント取引急増
  • 売買高が通常の60倍に膨らむ事例も、価格急騰するケース多数

ウォール街でかつて不明瞭だった一角に、先見の明があり潜在的に非常にもうかる取引パターンが形成されており、米当局が疑念を抱いている。

  その一角とは特別買収目的会社(SPAC)の世界だ。投資家から資金調達してから買収先企業を物色する「白紙小切手会社」とも称されるSPACは、近年市場に多数上場している。そしてもうけるための手段は、株式ワラント(新株予約権)で、ワラントの保有者は将来、特定の価格で株式を購入する権利を与えられる。SPACは多数のワラントを発行している。

  気になる取引パターンの始まりは誰かがSPACのワラントを大量に購入する時だ。1日当たりの売買高が通常の水準の10倍、20倍、60倍にさえ膨らむこともある。2、3週以内にはSPACが買収する企業を見つけたという話が浮上し、ワラント価格の急騰につながるケースが多い。

SPAC Warrant Trading

Source: Bloomberg reporting

Bloomberg calculated the normal trading in a SPAC’s warrants by averaging volume for trading sessions 30 to 90 days before a merger announcement. Any warrant that had fewer than 10 trading days in that period was excluded from the analysis because of insufficient data. The resulting list included 287 blank-check firms that had announced mergers through early March 2022. If there were multiple trading spikes in a SPAC's warrants within 30 days of its merger announcement, the first one is presented.

  ブルームバーグが2018年後半以降に発表された300件近い合併を検証したところ、ワラント取引のこうした急増が事前に見られるのはSPAC関連ディールの4件に1件程度の割合だ。潜在的な利益は目覚ましいレベルとなる可能性がある。ワラントの買い手がわずか数日ないし2、3週間保有すれば、投資額が2倍以上になるケースは十数件あり、ワラントが888%急騰したケースもあった。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、米証券取引委員会(SEC)は現在、ディール前に行われたワラント売買が内部情報に基づいて違法に行われたかどうかを見極めるため調査を進めている。SECは米金融取引業規制機構(FINRA)が運営するものも含め、市場監視システムから注意喚起があったタイミングの良い賭けに関する追加報告を精査しつつ、調査を拡大する可能性がある。

  SPACの合併発表前のワラント売買は何ら問題のないものである可能性もある。買収標的企業探しに関するSPACの最新情報や、交渉が始まったとする報道などに投資家が反応する可能性はある。それでも、ブルームバーグはワラント売買が急増したケースの約3分の2について、それを説明する公開情報を見つけられなかった。最ももうけの大きかった数件も含まれる。

  SECとFINRAの広報担当はコメントを控えた。当局が検証しているワラントは不明。調査開始は当局が執行措置に出ることを必ずしも意味しない。

VectoIQ

Trading in warrants through the day of the merger announcement

Source: Compiled by Bloomberg

 

原題:

SPAC Trades May Have Made 888% Profit. Some Face SEC Scrutiny(抜粋)

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