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マイクロソフト、クラウドとソフト契約巡る一部顧客の不満に対応へ

  • マイクロソフトは3年前にソフトのライセンス供与を抜本的に変更
  • 「もっともな懸念があるのは確か」-スミス社長

米国の反トラスト法(独占禁止法)当局が進める大手テクノロジー企業の調査・規制は、1990年代に米政府の標的となったマイクロソフトには向かっていない。長年にわたり当局から厳しい監視を受けている同社はすでに謙虚になっていると考えられ、消費者ではなく企業向けサービスが事業の中心となりつつあることもあって、フェイスブックやアマゾン・ドット・コム 、グーグル、アップルなどと同じ分類に属するとは見なされていない。

  ただ、マイクロソフトの一部顧客や競合他社の一部は今、同社がクラウドコンピューティングと生産性ソフトウエアの分野で競争を再び阻害しつつあると主張している。

  マイクロソフトは3年前、「ウィンドウズ」や「オフィス」を含むソフトウエアプログラムのライセンス供与を抜本的に変更。アマゾンウェブサービス(AWS)やグーグル・クラウド・プラットフォームのようなライバル企業のクラウド上でのプログラム利用コストがかさむようになった。

Microsoft To Invest $1 Billion In Carbon-Reduction Technology
ブラッド・スミス氏
Photographer:David Ryder/Bloomberg

  契約の更新でクラウドサービスでの一部の製品使用が即時禁止されたケースもあった。AWSとグーグルによると、両社は複数の顧客を代弁しマイクロソフト側に苦情を申し立てた。フランスのクラウドサービス企業OVHは昨年、マイクロソフトの変更で打撃を受けていると欧州当局に届け出た。

  ブルームバーグは6カ月間にわたり、5人のマイクロソフト顧客とこうした変更に影響を受けている顧客に協力しているソフト再販業者3人を取材。主要なビジネスソフト顧客の一部は契約更新や新しいプログラムとの交換を通じ、その影響を認識し始めており、不満をあらわにしているという。

  ブルームバーグ・ニュースの接触を受け、マイクロソフトのブラッド・スミス社長兼副会長は、顧客および競合企業と協議し、問題への対応に取り組むと述べた。「もっともな懸念があるのは確かだ」とし、「われわれがもっと状況を把握し、一定の変更を行うことが非常に重要だ」とインタビューで語った。

 

Inside Google LLC's New Berlin Office
 
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

  ライセンス条件変更の影響は、企業や組織の規模を問わず感じられている。米誌フォーチュンが選ぶ100社に入っているある企業のソフトウエアシステムに詳しい関係者は、マイクロソフトのルールはAWS上でオフィスの既存ソフトを稼働することを認めていないと話した。あるコンサルタントはフォーチュン10に入る企業1社のグーグル・クラウドへの移行を手助けしようとしたものの、顧客側がウィンドウズのライセンス料が5年で5000万ドル(約63億円)増えることに気付き、断念したという。

  顧客とコンサルタント、再販業者は秘密保持が求められるライセンス契約の詳細について公に話す権限がないとして匿名を条件に語った。マイクロソフトからの報復を恐れていると言う人もいた。

  マイクロソフトのライセンス供与に関して顧客に助言をする調査会社ディレクションズ・オン・マイクロソフトのアナリスト、ウェス・ミラー氏は、クラウドサービス上でのマイクロソフト製品使用は「以前よりずっと高くなった」と指摘し、マイクロソフトのクラウドサービス「アジュール」上に比べ割高になると述べた。

Amazon.com Inc. Illustrations Ahead Of Earnings Figures
 
Photographer:Gabby Jones/Bloomberg

原題:Microsoft Customers Decry Cloud Contracts That Sideline Rivals(抜粋)

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