5月FOMCで0.5ポイント利上げ検討する価値ある-エバンス総裁
Matthew Boesler-
2.25-2.5%と推計する中立水準まで政策金利を引き上げる必要
-
中立金利到達、来年3月が望ましいが今年12月でも問題ない

Charles Evans, president of the Federal Reserve Bank of Chicago
Photographer: Al Drago/Bloomberg米金融当局におけるハト派の代表格の一人であるシカゴ連銀のエバンス総裁は11日、インフレ抑制のため利上げペース加速を議論する価値があるとの見解を示した。
エバンス総裁はミシガン州デトロイトでのイベントで、5月3、4両日に開かれる次回連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイントの利上げを「検討する価値があるのは明らかだ」とした上で、「その可能性は恐らく極めて高いとさえ言える」と指摘した。同総裁は今年、FOMCの投票権を持たない。

FOMCの利上げ幅は通常0.25ポイントであり、2018年以来の利上げとなった3月も例外ではなかった。しかし3月以降、高インフレがさらに長引くのではないかとの懸念が強まり、投資家はFOMCが0.5ポイントの利上げを選ぶとの見方に一段と傾いている。
エバンス総裁は連邦準備制度が政策金利を中立水準まで引き上げる必要があると述べた。総裁は中立水準を2.25-2.5%とみている。さらに、来年3月までの中立水準到達が望ましいものの、今年「12月に到達するよう加速した場合も、やはり問題ないだろう」と発言。それには「今年9回分程度の利上げが必要になるが、毎会合0.25ポイントずつ利上げするだけでは到達できない」と指摘した。
一方、講演後にこのところのドル高について記者団から質問されたのに対し、エバンス総裁は「現在のドル相場は米国の金融政策が一段と中立的な方向に転換しつつあり、他の多くの金融当局よりも速いペースでわれわれがそれを進めていく事実を示している」との考えを示した。

原題:
Evans Says Half-Point Hike Worth Debating to Get Fed to Neutral(抜粋)