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東電など電力株が上昇、岸田首相が需給ひっ迫回避に原発活用表明

更新日時
  • 東電HD株は2016年12月以来の上昇率、中部電や北陸電も高い
  • 原発再稼働の課題は規制委や自治体、再稼働加速想定しがたい-大和

東京電力ホールディングス(HD)など電力会社の株価が11日、原子力発電所の再稼働加速への期待感から大きく上昇した。

  東京電力HDの株価は一時前週末比17%高の448円と2016年12月8日以来(18%)の日中上昇率をつけた。そのほか、中部電力が同8.4%高、北陸電力が3.5%となるなど、原発を保有する大手電力会社の株価がそろって値を上げた。

Japan Has One Reactor With 1.9% of Total Capacity Online
東電HDの柏崎刈羽原発(2012年)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  岸田文雄首相は8日夕の記者会見で、ウクライナ侵攻に対する追加制裁としてロシアからの石炭輸入を禁止するとした一方、電力需給の逼迫(ひっぱく)を回避するため再生可能エネルギーや原子力を活用すると表明した。

  政府はこれまで停止中の原発について原子力規制委員会の新規制基準に適応すると認められた場合のみ活用する考えを示しており、今回の方針表明で再稼働のペースが加速するかには不透明感も残る。

  ロシア・ウクライナ情勢に加え、先月の福島沖地震後の電力需給逼迫を受け、与野党や経済界からは原発再稼働を求める声が相次いで上がっている。しかし、福島第一原発事故後に策定された新規制基準の審査に合格して再稼働に至った原発はわずか10基にとどまっており、東電HDの柏崎刈羽原発(新潟県)を含め停止中の原発が早期に再稼働するのは考えにくいと識者らは指摘する。

東電HD株の過去3年間の推移
 
 

  大和証券の西川周作アナリストは投資家向けのメモで「原発再稼働の課題は、政府首脳でなく原子力規制委員会や地元自治体の動向で、少なくとも今後1年程度で原発の稼働基数が急速に増加するとは想定しがたい」との見方を示した。

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