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日本株見通しに引き下げの動き-ウクライナやインフレが影落とす

  • 日経平均予想を下方修正-資源の輸入依存厳しいと岡三AM・前野氏
  • 安全志向で財務力と成長力備えた優良株を選好-アイザワ証・三井氏

2月からのロシアによるウクライナ侵攻の影響やインフレによる業績下押し懸念で、株式市場では2022年の株価水準の見通しを引き下げる動きが一部で出ている。米金融当局のタカ派的姿勢や米中間選挙といった不透明要因もあり、結果次第で日本株が揺さぶられる場面もありそうだ。

  岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、昨年末時点では22年末の日経平均株価を3万2000円と予想していたが、2000円引き下げ3万円に変更。「ウクライナ問題が世界的にインフレを拡大させる中、資源を輸入に依存する日本は相対的に厳しい環境に置かれる」と説明する。

 昨年末時点での22年12月末日経平均予想現時点での22年12月末予想
岡三アセットマネジメントの前野氏3万2000円3万円
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員3万6000円3万2000円
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジスト3万500円2万9500円
アイザワ証券投資顧問部の三井氏3万3000円3万円
アセットマネジメントOneの清水氏2万7000円~3万3000円下方目線で再検討中

  特に製造業は特に大きなダメージを受けそうだとの見方がある。ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストらは5日付リポートで、コモディティー価格の上昇や最近の円安水準などを織り込んだ標準シナリオの下で、交易条件要因による企業の経常利益悪化幅(前年差)は12兆7000億円になると推計、「日本の製造業は1975年以降で最大の交易条件ショックに直面する可能性がある」と指摘した。

  急速な金融引き締めによる米国経済の腰折れリスクや中国のロックダウンの影響も懸念材料とされる。まもなく3月期本決算発表が本格化するが、アセットマネジメントOneの清水毅調査グループ長は「低いガイダンスが出るとみられる」と予想。投資家の安全志向は強まりそうで、アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「財務力と成長力を兼ね備える優良株が選好される。ヘルスケアや自動車などグローバルシェアが高い銘柄に資金が向かう」と予想する。

  他方、年度後半から新型コロナ感染が落ち着くとの期待から予想を変える必要はないとの見方もある。東海東京調査センターの鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストは「長かった日本のデフレの時代が終わり、インフレにより債券よりは株式が優位となる。割安感が強い日本は投資対象になりやすい」と強気を維持、今年の高値予想3万1500円は変えていない。岡三AMの前野氏は、11月の米中間選挙で共和党が勝利すると不透明感が払しょくされ、年末にかけて株価が回復しやすいとみている。

 

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