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政府、ロシア産石炭輸入を段階的に削減する方針-G7首脳声明受け

  • ロシア産石炭の代替供給を確保しつつ、輸入削減する-萩生田経産相
  • 制裁に対する報復措置でロシア産化石燃料などの供給に途絶リスク

萩生田光一経済産業相は8日、ロシア産石炭の輸入を段階的に減らして最終的にはゼロを目指す方針を示した。ウクライナでロシア軍による戦争犯罪があったとの報告を受け、主要7カ国(G7)首脳は前日、ロシア産石炭の段階的廃止や禁止を含めた計画を進めるとの声明を発表していた。

  萩生田経産相は8日の閣議後会見で、エネルギー事情はそれぞれの国によって違うとした上で、日本は「段階的に減らしていく」との考えを示した。国内の電力供給を確保する観点から、代替供給国を「見つけながら、それに合わせて輸入を減らしていく。最終的には輸入をしない、そういう方向を目指していきたい」と続けた。

Excavations at Mechel PJSC's Krasnogorsky Coal Mine
ロシア国内での石炭採掘の様子
 

  ウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外のブチャで、多数の民間人が殺害されていたことが判明し、米欧は追加制裁を科す方針を示している。G7首脳声明でも、石炭や石油のロシア依存低減のほか、同国のエネルギー分野などへの新規投資の禁止や輸出禁止措置の強化の方針が示された。

  日本企業が関与するロシアのエネルギー開発事業のうち、北極圏の液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティック2」について、萩生田経産相は既存の投資案件であり、今回のG7首脳声明で示した「新規投資の禁止の対象には該当しない」と述べた。

  また萩生田氏は、極東ロシアの石油・ガス開発プロジェクト「サハリン1」では米エクソンモービルが撤退を表明した後、計画されていたLNGプラント建設計画は中断されていると指摘。アークティック2など日本が参画するロシア事業は「エネルギー安全保障上、重要なプロジェクトと考えており、撤退はしない方針」だと改めて強調した。 

  ロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本は米欧と協調して新興財閥(オリガルヒ)やロシア政府関係者の資産凍結などの制裁を強化してきた。ロシア側は報復措置を取る意向を示しており、制裁対象となっていない同国産の天然ガスなどの供給にも今後影響が広がる可能性がある。

  政府は3月末、石炭を含めた計6品目を安定供給確保を早急に講じる必要がある物資に指定。日本は一般炭(発電用石炭)と原料炭(製鉄用)輸入量の13%、8%をロシアに依存しており、政府は代替調達の検討などを行い、供給途絶リスクに備える考えだ。

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