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バイオジェンのアルツハイマー薬、メディケアが給付対象大幅制限

更新日時
  • 特定の臨床試験に参加する患者に制限する計画を最終決定
  • 暫定決定の撤回を働き掛けていたバイオジェンに打撃、株価下落

米厚生省のメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は、米バイオジェンがエーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」のメディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)適用対象について、特定の臨床試験に参加する患者に制限する計画を最終決定した。

  7日に発表された決定により、アルツハイマー病患者の大半はアデュヘルムへのアクセスを事実上阻まれる。ただ、CMSの当局者は、将来の大規模試験で臨床的利点が明確に示され、米食品医薬品局(FDA)から完全な承認を得たアルツハイマー病治療薬については、メディケアの適用対象をより幅広くするとした。

  CMSはアデュヘルムの適用対象を大幅に制限する暫定決定を1月に発表。これの撤回を働き掛けていたバイオジェンにとり、今回の最終決定は打撃となった。

バイオジェン、アルツハイマー病薬の給付制限案への反対呼び掛け

  RBCキャピタル・マーケッツのアナリストは7日の調査リポートで、予想されていたものの「アデュヘルムの終わりを意味する公算が大きい」と分析。その一方で開発段階にある他のアルツハイマー病治療薬には「門戸を開いたままにした」と指摘した。これらにはイーライリリーロシュが開発中の新薬が含まれる。エーザイも別のアルツハイマー薬候補の申請データの提出を既に開始した。

  CMSはアデュヘルムに対する厳しい姿勢を維持しながら、効果が確かなより新しい治療薬についてはメディケア給付への道筋を付けるといった妥協点を見いだした。

  バイオジェンの株価は7日の時間外取引で下落。ニューヨーク時間午後6時43分(日本時間8日午前7時43分)現在、1.1%安となっている。FDAが昨年6月にアデュヘルムを予想外に迅速承認した後の上昇を帳消しにしている。リリーの株価は時間外で一時0.5%高となったが、その後は上げ幅を縮小している。

  バイオジェンは7日、今回のCMSの決定は「前例のない」もので「新たな種類のアルツハイマー薬として最初にFDAに承認された唯一の治療薬であるアデュヘルムへのアクセスをメディケア受給者から事実上奪うものだ」と発表資料でコメント。こうした制限が「他の疾病分野のFDA承認薬に適用されたことはなかった」と指摘し、「選択肢を慎重に検討し、今回の決定による事業への影響をさらに検証した上で最新情報を提供する」とした。

原題:Medicare Keeps Limits on Coverage of Biogen Alzheimer’s Drug (2)(抜粋)

(バイオジェンのコメントを追加して更新します)
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