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現在の原油価格、ロシアの供給途絶リスクを完全には反映せず-ビトル

  • 前例のない規模の米戦略石油備蓄の放出で原油相場は先週下落
  • 中国の石油需要、追加景気対策で押し上げられる公算-ミュラー氏

原油価格はロシアの輸出が途絶えるリスクや中国が新型コロナウイルス感染急拡大を抑制する能力を反映しない水準まで下落している。 世界最大の独立系石油商社ビトル・グループが指摘した。

  ロシアが2月下旬にウクライナ軍事侵攻に踏み切った後、北海ブレント原油先物は1バレル=140ドル近くまで急騰したが、その後は下げ、先週は104ドル前後となった。米国が前例のない規模の戦略石油備蓄の放出を発表したことや中国でのコロナ新規感染者急増などがきっかけだった。

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  こうした展開で、ロシアからの原油供給が向こう数カ月間で落ち込む懸念が脇に追いやられる形となった。西側諸国がロシアを孤立させるための制裁強化に乗り出す中で、トレーダーや海運業者、保険業者、銀行関係者はロシア産原油の取り扱いに関わることに及び腰になっている。

  ビトルのアジア責任者マイケル・ミュラー氏は3日、「大半の予測よりも原油は安い感じがする」とドバイのコンサルティング会社ガルフ・インテリジェンス主催のポッドキャストで発言。「ロシアからの供給途絶リスクを踏まえれば石油価格は高くなる可能性があるが、人々はまだこれらの数字を見極めようとしているようだ」と話した。

Oil fell heavily last week, paring some gains caused by Russia's attack on Ukraine
 
 

  ミュラー氏によると、ロシアからの原油と石油製品の流入は7-9月(第3四半期)を通じて日量100万-300万バレル減る可能性がある。同国は通常、日量750万バレル前後を輸出している。

  中国はコロナ感染拡大を封じ込めるため上海市の住民約2500万人のほとんどを対象に何らかの形の制限措置を導入。政府は地元当局に対し、できるだけ早期に感染拡大を抑えるよう指示した。

  中国政府は今年後半の共産党大会を控え、追加の景気対策を発表する公算が大きいとミュラー氏は指摘。そうした動きは、中国の石油需要を押し上げる可能性が高いと分析した。

  ミュラー氏はさらに、2015年のイラン核合意の再建を巡り、イラン産原油の禁輸解除につながり得る当事者間の合意が向こう数カ月以内に実現する可能性は低いと指摘した。

原題:

Oil Prices Don’t Fully Reflect Russian Supply Risks, Says Vitol(抜粋)

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