銅の需給逼迫、「価格問題をはるかに超える」とフリーポートCEO
James Attwood-
市場の需要は企業の生産可能なスピードをはるかに上回っている
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ロックダウン中でも中国の需要は「引き続き極めて強い」
上場する産銅会社で世界最大手の米フリーポート・マクモランとゴールドマン・サックス・グループは、銅の強気見通しを共有している。ただ、価格上昇が供給の伸びにどれぐらい影響を及ぼすかについて、両社の見方は異なっているようだ。
ゴールドマンのアナリスト、ニコラス・スノードン氏は3月30日の会議で、供給側の反応を促すためには、現在の過去最高値近辺にある銅価格がさらに上昇する必要があると指摘。その翌日、フリーポートのリチャード・アドカーソン最高経営責任者(CEO)は、市場の逼迫(ひっぱく)は「価格の問題をはるかに超えている」と述べた。
フリーポートなどの産銅会社は大きな利益を得ているものの、鉱床の質の低下や一段と要求の厳しい事業環境を踏まえると、プロジェクト大幅加速のために同社ができることはあまりないと、アドカーソン氏はインタビューで指摘。クリーンエネルギーへの転換に伴い銅需要は急増が見込まれているため、これは問題になる。

アドカーソン氏は「銅の価格が一晩で2倍になったとしても、大幅な増産が始まるまで何年もかかるだろう」と指摘。「市場の需要は、当社のような企業の生産可能なスピードをはるかに上回っている」と語った。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う中国の最近のロックダウン(都市封鎖)については、中国の銅需要は「引き続き極めて強く」、同社の素材を同国の製錬所に販売することに全く問題がないと考えていると語った。
ロシアが世界の銅供給に占める割合は5%未満にとどまるため、ロシアのウクライナ侵攻が銅相場に及ぼす影響は他の商品と比べて小さい。それでも、現在のタイトな市場では、大きな混乱があれば影響が及ぶ可能性があるとの見方を同氏は示した。
原題:
Freeport CEO Says Copper Tightness ‘Is Far Beyond a Price Issue’(抜粋)