FRBの量的引き締めによって流動性コスト上昇へ-PIMCO
Liz McCormick-
QT開始によって取引環境はさらに悪化すると投資家はみている
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FRBバランスシート、数年で約5兆ドルに圧縮へ-シュローダー氏
米連邦準備制度理事会(FRB)が近くバランスシート圧縮を開始することで、債券市場の流動性コストは上昇すると、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)などが予想している。
インフレ高進でFRBは3月に利上げを開始。2020年3月に開始した大規模な債券購入も終了し、早ければ5月の会合で量的引き締め(QT)の計画が発表される可能性がある。このQT開始によって取引環境はさらに悪化すると投資家はみている。
PIMCOの短期ポートフォリオ管理・資金調達責任者、ジェローム・シュナイダー氏は3月31日、QTは「流動性のコスト、さらに重要なことに、トランザクティングビジネスと資産配分変更のコストに膨大な影響を与えるだろう」とブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。
「株式市場やその他のリスク資産の急激な減速や下落は必ずしもないかもしれないが、当局のバランスシートに関連する資本のコストは変化するだろう」と述べた。

パウエルFRB議長はQTの詳細について3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨から明らかになるだろうとしている。議事要旨は4月6日に発表される。
FRBのバランスシートは現在、約9兆ドル(約1100兆円)規模。シュナイダー氏は今後数年間で約5兆ドルに圧縮されるとみている。
ブルームバーグの流動性指標は今月、2020年の新型コロナウイルス禍初期以来の水準に低下している。インカム・リサーチ&マネジメントのシニアポートフォリオマネジャー、ジェイク・レムリー氏は「最も基本的なレベルでも流動性が低下している。米国債市場では電子取引でビッドが返ってくるまでの時間が長くなり、ビッドの規模もかつてより小さい」と指摘。QTは「追加の一撃になるだろう」と述べた。
原題:Investors Brace for QT’s ‘Profound Effect’ on Cost of Liquidity(抜粋)