JPモルガン、S&P500種は失速後に「新たなラリー」で高値へ
Jess Menton-
S&P500種は4500台後半の重要な上値抵抗線を上回った
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現時点で弱気相場の長期化を予想するのは時期尚早
JPモルガン・チェースによると、S&P500種株価指数は2022年後半に「新たなラリーで高値を付ける」見込みだが、その前の4-6月(第2四半期)は軟調に推移する可能性が高いという。
S&P500種はJPモルガンが中期的な下値支持線とする4100ー4300から反発しており、3月に3.6%上昇して波乱の1-3月期を締めくくった。ロシアによるウクライナ侵攻や米金融政策引き締めに伴うリスクを踏まえ、投資家は今月、米国の大企業の株式が比較的安全と受け止めた。
S&P500種は4500台後半の重要な上値抵抗線を突破し、一時は4600を超える場面もあった。このラリーにより、JPモルガンが数カ月にわたると考える狭いトレーティングレンジの上限に入ったという。
ストラテジストのジェイソン・ハンター氏らは顧客向けリポートで、「この動きはわれわれの予想よりも幾分強いが、今後数週間ないし数カ月はボックス圏内での動きが依然として予想される」と指摘。「ラリーは減速し、現在の水準からさほど遠くないところで頭打ちするだろう」との見方を示した。

現在のレンジ内の値動きが成熟するのに伴い、S&P500種は22年後半に新たなラリーでの高値に向け少なくとも1回の中期的な動きを見せるとJPモルガンは予想した。
また、インフレ期待の夏と秋の展開と、それが米金融当局の政策引き締めサイクルに与える影響は、S&P500種が23年もラリーを持続するのか、あるいは投資家が年後半に向けて再びディフェンシブなポジションを取るべきなのかを決定づける公算が大きいと指摘。「現時点で弱気相場の長期化を予想するのは時期尚早だ」との考えを示した。
原題:JPMorgan Says S&P 500 Will Stall, Then Rise to ‘New Rally Highs’(抜粋)