コンテンツにスキップする

アップル、中国勢含め新たな半導体メモリーの調達先探る-関係者

更新日時
  • 長江存儲科技のNAND型メモリーをテスト、提携についても協議
  • サムスン電子とSKハイニックスがキオクシアの穴埋めに回る公算大

アップルは「iPhone(アイフォーン)」向け半導体メモリーの新たな調達先を探しており、初めて中国勢から供給を受けることも検討している。アップルと取引しているキオクシアホールディングスの生産が不純物購入で混乱したことを踏まえた措置だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  既に米マイクロン・テクノロジーや韓国のサムスン電子などからメモリーを調達しているアップルだが、さらに選択肢を広げる。

Apple iPhone SE 3 And iPad Air 5 Go On Sale In Store
ニューヨーク市内のアップル旗艦店(3月18日)
Photographer: Gabby Jones/Bloomberg

  非公開の話し合いだとして匿名を条件に語った関係者によれば、サムスンと韓国のSKハイニックスという世界最大級のフラッシュメモリーメーカー2社がキオクシアの穴埋めに回る可能性が高いが、アップルは供給網を広げ、新型コロナウイルス禍や流通の停滞でさらに混乱が生じるリスクを減らしたいと強く決意しているという。

  キオクシアは2月、フラッシュメモリーを生産する四日市工場と北上工場で1月下旬から一部操業に影響が出ていると発表していた。

  アップルは現在、中国湖北省に本社を置く長江存儲科技が製造したNAND型メモリーの試作品テストを行っていると関係者は説明。アップルは数カ月にわたり中国政府系の紫光集団が所有している長江存儲との提携について協議しているが、最終的な決定は下されていないという。

  アップルと長江存儲の担当者はコメントを控えた。

中国の野心

  中国政府は米国と競合し得る世界クラスの半導体業界を国内で育成するという野心的な目標を掲げている。アップルが長江存儲と提携すれば、アップル批判が米国内で高まることも予想される。

  米政府はテクノロジーセクターにおける中国の台頭を抑え込もうと取り組んでいるほか、ウクライナに侵攻したロシアに中国が曖昧な姿勢を示していることにも警戒を強めている。米議員らは以前から中国政府による国内企業に対する補助金優遇を問題視している。

  長江存儲は公営半導体工場との合併で2016年に誕生。スマートフォンやラップトップパソコン、サーバー、電気自動車(EV)などでのデータ保存に使われる3D・NANDフラッシュメモリーを中国が設計・開発する上で最良の企業と見なされている。

  試作品テストや協議は、長江存儲の製品がアップルに出荷されることを保証するものではない。長江存儲がアップルから十分な信頼性を得ることができるかどうは分からないとも関係者は指摘。アイフォーン向けにディスプレーを供給している中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)はアップルの量産に対応できるまでに数年を要した。

  世界の大手エレクトロニクスブランドはここ2年ほど、部品不足とコロナ禍が引き起こした流通問題への対応に追われており、サプライチェーンの再検討を急いでいる。

  海通国際証券のアナリスト、ジェフ・プー氏は理論上の試算だとして、「競争力の高い価格設定」を行う長江存儲のメモリーはアイフォーンSE向けで約5%、今秋発売が想定されるアイフォーン14では約3-5%を占めるだろうとの予測を示した。

原題:Apple Said to Weigh More Memory Chip Suppliers, Including China(抜粋)

(7段落目以降を追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE