米超長期債が発するシグナル、テクノロジー株は無視-ETF乖離
Elaine Chen (News)、Isabelle Lee-
QQQは7.9%上昇、TLTは約1%下落-米利上げ開始以降
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債券市場が通常正しく株式市場は間違うと歴史示す-ストラテジスト
大型テクノロジー株は米超長期債と同じ方向に動く傾向にあったが、それぞれに連動する上場投資信託(ETF)の動向からすると、今月半ばの米利上げ開始以降は乖離(かいり)する方向にある。
テクノロジーの比重が重いナスダック100指数に連動するETF「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(QQQ)は、3月16日以降7.9%上昇。一方、「iシェアーズ米国債20年超ETF」(TLT)は約1%下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は同日、2018年以来となる利上げを発表している。
近年の傾向に反する両ETFの動向乖離は、景気循環に左右されず利益を生み出すことで知られるグロース株銘柄について、約40年ぶり高水準で推移する米インフレへのヘッジ手段になるという投資家の確信の高まりを反映しているとの見方がある。

利回り上昇は、特に利益が向こう数年にわたって拡大するとの見通しで買われるテクノロジー株にマイナスに働くものだが、米国債のあらゆる年限の動きにもかかわらず、大型テクノロジー株はもちこたえている。債券市場がシグナルを発する経済の不透明感が、利益を確実に生む企業への投資を促していると考えられるかもしれない。フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、アルファベット傘下グーグルを指す「FAANG」銘柄などは強いユーザー基盤を享受している。
ただし、米超長期債が下落しても大型テクノロジー株が上昇する最近の流れが持続するかには大きな疑問符が付く。ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏によると、QQQとTLTのパフォーマンス乖離は、よりタカ派的な米金融当局に対する株式と債券の反応の差が反映されている。根強いインフレ圧力は企業収益を抑える要因であるため、QQQの価格は4-6月に下がるとみる。
メイリー氏は「こうした乖離が起きた場合、通常正しいのは債券市場で、株式市場が間違っていることを歴史は教えてくれる」と述べた。
原題:
Tech Stocks Are Defying Bond Warnings in Historic QQQ-TLT Gap(抜粋)