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持ち合う老舗企業に春の嵐-TOPIXの浮動株比率、東証が来週公表

  • 政策保有株を除外して浮動株比率を調整、変更結果は4月7日に公表
  • 初回見直しとあってサプライズが出る可能性も-みずほ証・永吉氏

東京証券取引所は4月7日、TOPIXについて構成銘柄ごとに流動性に応じて決める度合い「浮動株比率」の変更を公表する。市場再編に合わせた今回の見直しは複数の変更も重なり、ことし最大の指数イベントになり得る。経営安定や取引関係強化を目的とした「持ち合い株」が多く残る企業ほど売り需要が生まれる。

  「扱いや定義などでブラックボックス的部分も残り、市場にサプライズが出る可能性がある」。みずほ証券の永吉勇人チーフクオンツアナリストは新しいルール下での初回見直しとあって確認が必要だと話す。

  浮動株比率は市場で流通する可能性の高い浮動株の分布状況に応じて決まる比率で、株価指数が構成銘柄の流動性に即した運用を可能とする仕組みだ。今回の見直しでは、政策保有株、いわゆる持ち合い株を浮動株から除外する。2019年12月の金融審議会の報告を踏まえたもので、株価指数を実際の流動性により反映させたものにする。

  TOPIXと連動する年金や投資信託などの資金は大和証券の試算で約76兆円。今回の見直しでは持ち合い株が多い銘柄ほど浮動株比率が引き下げになるため、指数連動型資金の売り需要が発生する。持ち合い株が少ない銘柄は逆に資金が流入することになる。

  東証は市場への影響を軽くするため浮動株比率の変動は4、5、6月の各最終営業日に3回に分けて移行する。変動に伴う売買規模は3-4兆円程度になるとみずほ証は想定。年間ベースでも突出した指数イベントになる見通しで、持ち合いの有無が差異となり、結果的に市場での投資家のトレードは「バリュー(割安)株売り・グロース(成長)株買い」に近い形になりやすいと試算する。

  大和証によると、金額ベースではトヨタ自動車ダイキン工業などのマイナス影響が多い一方、ソニーグループなどは恩恵を受ける。橋本純一シニアクオンツアナリストは見直しの影響を受けやすいのは「金融や建設、不動産、自動車など持ち合いが多いセクター」と語る。

   マイナス影響金額の上位銘柄(大和証試算、7日時点)

順位銘柄名影響金額(浮動株比率)
トヨタ(7203)1411億円(0.50⇨0.45)
ダイキン工(6367)730億円(0.70⇨0.60)
日電産(6594)693億円(0.70⇨0.60)
7&iHD(3382)619億円(0.70⇨0.60)
東京海上H(8766)531億円(0.75⇨0.65)

      プラス影響金額の上位銘柄(同上)

順位銘柄名影響金額(浮動株比率)
ソニーG(6758)1233億円(0.80⇨0.80)
キーエンス(6861)832億円(0.60⇨0.60)
NTT(9432)614億円(0.70⇨0.70)
東エレク(8035)584億円(0.65⇨0.65)
任天堂(7974)572億円(0.70⇨0.70)

  春の指数見直し第1弾は例年の7-9月期決算企業の定期見直しイベントなども重なるため、株式相場全体の動きにも注意が必要だ。秋の10月以降には第2弾となる、流通株式時価総額100億円未満の中小型株に関する見直しが予定されている。

  株式市場では市場再編に伴う株価指数の見直しついて、TOPIXの構成銘柄が市場再編前とほぼ変わらなかったことに失望する声が多い。ただ、三菱UFJ国際投信の小西一陽株式運用部長は、今回の浮動株比率見通しによって「エンゲージメントでも持ち合い解消を企業側にアピールしやすくなる。解消が進むなら市場にとって良いことだ」と評価した。

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