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【ウクライナ】プーチン氏に戦況の誤情報、顧問が提供と米政権

更新日時
  • バイデン米大統領、ウクライナに追加支援約束-EUは制裁拡大検討
  • ウクライナ交渉担当、和平協議は4月1日にオンラインで再開-報道

ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻の準備や実行に関して軍当局者から欺かれていると感じており、プーチン氏の上級顧問は真実を語るのを怖がり、ロシア軍の苦戦や制裁で打撃を受けた経済の実情を大統領に伝えていないと、ホワイトハウスが30日、米情報機関からの報告として伝えた。

プーチン氏、戦況について顧問から誤情報伝えられる-ホワイトハウス

「プーチン大統領は軍に欺かれていると感じており、このためプーチン氏と軍指導部は常に緊張関係にあったとわれわれは報告を受けている」とホワイトハウスのベディングフィールド広報部長
Source: Bloomberg

  ロシアはウクライナ国内の兵力を再編成し、同国東部ドンバス地方の掌握を完了させる意向を示した。ロシアはウクライナの首都キエフなどでの軍事作戦縮小を29日に表明したものの、軍事活動全般を低下させる意思はないことを示唆した。

  ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は「ロシア軍の再編成は、優先される方面での作戦を活発化するためだ。まず第一に、ドンバス地方の完全解放を完了する」と発表文で主張した。首都キエフ周辺と北部チェルニヒウでは、ロシア軍はウクライナ軍の動きを止めるという主要な目標を達成したとも説明した。

  バイデン米大統領は30日、ウクライナのゼレンスキー大統領と約1時間にわたり電話で会談し、5億ドル(約610億円)の直接的な財政援助を約束した。バイデン政権は米国の石油備蓄から数カ月間にわたって日量約100万バレルを放出する計画を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  ロシアが同国産天然ガスの代金支払いをルーブル建てにするよう求めた問題で、ドイツはロシアが要求を撤回したと明らかにした。現在、決済メカニズムが検討されているとした。

バイデン大統領はロシアの行動を見守ると発言
Source: Bloomberg
コラム

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

NY原油が時間外で下落-米政府の石油備蓄大量放出報道で

   ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物はアジア時間31日午前、一時5%超下落した。バイデン米政権は高騰するガソリン価格や供給不足に対応するため、石油備蓄の大規模な放出を検討していると報じられた。

WTI原油5%超安-米政府が石油備蓄からの大量放出検討との報道

バイデン米政権、石油備蓄からの大量放出を検討-関係者

  バイデン米政権は、米国の石油備蓄から数カ月間にわたって日量約100万バレルを放出する計画を検討している。高騰するガソリン価格やロシアのウクライナ侵攻を受けた供給不足に対応することが目的。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。放出総量は最大1億8000万バレルに達する可能性があるという。

バイデン米政権、石油備蓄からの大量放出を検討-関係者

米欧当局者、対ロシア「追加措置」を検討

  ヌーランド米国務次官(政治担当)と欧州連合(EU)のモラ欧州対外活動庁事務次長は30日、ワシントンで会談し、ロシアを米欧経済から一段と切り離す追加措置を議論した。

ウクライナ交渉担当者、和平協議は4月1日にオンラインで再開-報道

  ロシアとウクライナは4月1日に和平協議をオンラインで再開する。ロイター通信がウクライナの交渉担当者デービッド・アラカミア氏を引用して報じた。

シカゴ小麦先物上昇、ウクライナ侵攻巡る楽観的な見方後退

  シカゴの小麦先物は30日、3日ぶりに上昇。ウクライナ侵攻の先行きを巡る楽観的な見方が後退した。

ロシア外相はクリミア巡る交渉の現状を誤解-ウクライナ当局者

  ウクライナ外務省のニコレンコ報道官はツイッターで、ロシアのラブロフ外相はクリミアを巡る協議の現状を誤解していると指摘。「クリミアとドンバスの問題はウクライナがこれら地方の主権を回復した後、恒久的に解決されるだろう」と述べた。

LMEニッケル上昇-ウクライナ侵攻に伴う供給リスク注視

  30日のロンドン金属取引所(LME)のニッケル相場は大幅上昇。売買が低調な中、金属の上げを主導した。ウクライナでの戦争に伴う供給リスクをトレーダーは注視している。

プーチン氏、戦況について顧問から誤情報伝えられる-ホワイトハウス

  ロシアのプーチン大統領は、ウクライナでのロシア軍の戦闘成果や制裁の経済への影響について顧問から誤った情報を伝えられていると、ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長が30日、米情報機関を引用して指摘した。

  同広報部長は記者ブリーフィングで、「プーチン大統領は軍に欺かれていると感じており、このためプーチン氏と軍指導部は常に緊張関係にあったとわれわれは報告を受けている」とし、「プーチン氏の上級顧問は真実を語るのを怖がり、ロシア軍の苦戦や制裁で打撃を受けた経済の実情を大統領に伝えていないとわれわれはみている」と語った。

バイデン米大統領がゼレンスキー大統領と電話会談、追加支援を約束

  バイデン米大統領は30日、ウクライナのゼレンスキー大統領と約1時間にわたり電話で会談し、「5億ドルの直接的な財政援助」を約束した。ホワイトハウスが発表した。

  この発表文によると、両首脳は「ウクライナが要請する主要な安全保障上の支援を米国が履行するためいかに絶え間なく取り組んでいるか」を協議。また、ウクライナ軍の国防支援のための追加措置を米国と同盟国などが模索し続けていることについても意見を交わした。

  ゼレンスキー大統領はツイッターで、会談では「戦争と交渉の状況評価、特定の国防支援、新たな追加制裁措置、人道上の支援」について話し合ったと説明した。

プーチン大統領、戦況について誤った報告を受けている-米国務長官

  ブリンケン米国務長官は、プーチン大統領が戦況について誤った報告を受けていると主張した。側近らが悪い報告を上げることを恐れているからだと語った。

  ブリンケン氏は訪問先のアルジェで、「独裁体制の弱点の一つは、権力者に真実を話す人が体制内にいない、または真実を話す能力を持つ者がいないことだ」と指摘。「それが今起きていることだと思う」と続けた。

  AP通信が匿名の当局者の話として報じたところによると、米情報機関も同様の結論に達した。プーチン氏は軍に欺かれたと感じており、同氏と国防当局との間で緊張が続いていると、最近機密扱いが解除された情報は結論付けているという。プーチン氏はまた、徴集兵がウクライナに送られていることや制裁でロシア経済が被る打撃の程度についても知らないことが分かったと、この当局者は述べたという。

ロシアのテクノロジー大手、1年半以内に半導体不足に陥る恐れ

  ロシアで圧倒的シェアを持つ検索エンジン、国内最大の配車アプリなどを生み出したテクノロジー会社ヤンデックスが、米国の制裁によるハードウエア不足に直面している。事情に詳しい関係者によると、同社は1年から1年半のうちにサーバーに必要な半導体が不足する可能性がある。

ロシア側交渉担当者:ウクライナは主要な要求を満たす用意

  ロシアの交渉団を率いるメジンスキー大統領補佐官は、ウクライナが29日の交渉で行った書面による提案は、ロシア政府が提示した「最も重要な条件について全体的に満たす用意を初めて示した」ものだと述べ、交渉結果を前向きに評価した。国営タス通信が報じた。

ドイツ、ウクライナに安全保障の確約提供を協議

  ドイツのショルツ首相はウクライナのゼレンスキー大統領との数回にわたる電話会談で、ドイツが他国と共にウクライナの安全を保障する国として行動する「全般的な意思」があることを示唆したと、ヘーベシュトライト政府報道官が明らかにした。ただ、停戦もまだ実現していないため、依然「極めて初期」の段階だとくぎを刺した。

エアキャップが35億ドルの保険金請求、ロシアが接収の航空機巡り

  世界最大の航空機リース会社エアキャップ・ホールディングスは、ウクライナでの戦争開始以来ロシアが事実上接収した形となっている航空機やエンジンに関連し、総額約35億ドル(約4270億円)の保険金を請求した。請求額は発生し得る減損へのエアキャップのエクスポージャーより大きい。戦争によって生じた損失を誰が負担するのかを巡り、ロイズ・オブ・ロンドンなど保険会社との間で争いが勃発しそうだ。

EUが新たな対ロシア制裁検討、対象の銀行を追加-DJ

   欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会はロシアの銀行に対する新たな制裁案を来週に示す見通しだと、ダウ・ジョーンズ通信(DJ)が匿名の外交官の話として報じた。

EU、制裁対象の銀行を追加する新たな対ロシア制裁を検討-DJ

ウクライナ大統領:ロシアは新たな部隊を投入

  ロシアは新たな部隊をウクライナ戦線に投入していると、ゼレンスキー大統領がノルウェー議会での演説で述べた。具体的な時期は示さなかった。

  ゼレンスキー大統領はビデオリンクを通じてウクライナから演説し、「この戦争を止めるにはさらなる取り組みが必要だ」と呼び掛け、一層の兵器提供を求めた。

ウクライナ、海上保険グループにロシアを対象外とするよう訴え

  ウクライナ大統領の首席経済顧問を務めるオレグ・ウステンコ氏は海上保険の引き受けで圧倒的なシェアを持つ団体に対し、ロシアを保険対象外とするよう書面で呼び掛けた。エネルギーの買い手からロシアに流入する資金を削減する狙いがある。

  書簡の送付先は国際P&Iグループ。同グループは相互保険組合の集まりで、グループ全体で世界の外航船の船腹量の9割以上の保険を引き受けているとしている。この書簡によると、同グループのメンバー企業は戦争開始以降、ロシアの港から石油やガス、石炭を輸送する363隻の保険を引き受けている。

ロシア大統領府:ウクライナとの交渉で大きな進展なかった

  ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日にイスタンブールで行ったウクライナとの和平交渉について、事態の打開につながる大きな進展はなく、まだ多くの作業が残っていると記者団に語った。ただ、ウクライナ側が書面で具体的な提案をする意思を示したことは「前向き」だと評価した。

  ペスコフ氏はまた、ロシアが一部のガス輸入国に要求しているルーブルへの支払い通貨変更は、実施に時間がかかり、今週から直ちに開始することはないと説明。「この手続きは技術的に時間がさらにかかる」と述べた。プーチン大統領は31日までにルーブル決済を可能にする仕組みを開発するよう命じていた。

ロシア大統領府:ガス代のルーブル払い、発効には時間要する

欧州、戦争の経済的な影響が深刻化

  ウクライナでの戦争が及ぼす経済的な影響が欧州全域で深刻化している。ロシア産エネルギーへの依存が高いドイツは、リセッション(景気後退)の危機に直面している。

  スペインでは3月のインフレ率が10%近くに達し、約40年ぶりの高水準を記録。ドイツ政府の助言機関は同国の経済成長予測を大きく引き下げた。

ドイツ、ロシアがガス供給停止なら景気後退も-独経済諮問委が警告

ウクライナ国外への避難者、400万人突破

  戦争開始以降の5週間でウクライナ国外に逃れた人の数は400万人を超えたと、グランディ国連難民高等弁務官が明らかにした。同氏は現在、リビウで当局者と会談するためウクライナ入りしている。国内での避難を含め自宅から退避を余儀なくされた人の数は合計で約1000万人に上るという。

ポーランド、ロシア産エネルギー輸入を年内で打ち切りへ

  ポーランドはロシア産の石油とガスの輸入を今年末までに停止するため「何でもする」計画だと、モラウィエツキ首相が記者会見で語った。ロシアからの石炭購入は4月か5月までに打ち切るとも言明した。

制裁は継続、ロシア軍が撤退するまで-英副首相

  英国のラーブ副首相は、ロシア軍がウクライナから撤退するまで制裁は続くと、BBCラジオに対して述べた。

キエフ周辺で戦闘続く、ウクライナ側発表

  ロシアは軍事作戦を縮小すると表明したものの、キエフの北部や西部で戦闘は続いていると、ウクライナ国防省が発表した。ロシア軍はまた北部のチェルニヒウを夜間に砲撃し、図書館やショッピングセンターを含む民間施設を損壊させたとチェルニヒウ州のチャウス知事が明らかにした。同知事はロシアの約束について「信じられるはずがない」と動画で語った。

ドイツ、天然ガス供給確保で緊急計画を始動

   ドイツはロシア産天然ガスの供給途絶に備えており、エネルギー供給の圧迫を管理するための計画の第1段階を開始した。同計画は第3段階まで構築される可能性がある。ハーベック経済相が30日の記者会見で明らかにしたもので、新設の対策チームが毎日、状況をモニターするという。

ドイツ、天然ガス供給確保で緊急計画を始動-ロシア産の途絶に備え

 

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