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新生銀社長、公的資金返済へ組織見直しから着手-顧客視点が不十分

  • 銀行とグループ企業をフラットに、「良い意味の顧客共有」が必要
  • 海外事業強化へM&Aの選択肢広がる-アジアのノンバンクなど視野
Signage for Shinsei Bank Ltd. at its headquarters in Tokyo.

Signage for Shinsei Bank Ltd. at its headquarters in Tokyo.

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

SBIホールディングスの連結子会社となった新生銀行が、長年の課題である公的資金返済に向けグループとしての収益力向上に動き始める。2月にSBIの副社長(COO)から新生銀の社長に転じた川島克哉氏が、手始めに取り組むのは組織体制の見直しだ。

Shinsei Bank CEO Katsuya Kawashima
新生銀行の川島克哉社長(3月29日)
Photographer: Taiga Uranaka/Bloomberg

  「顧客中心主義でやっていく上で不十分なところがある」。川島氏は29日のインタビューで、新生銀が証券や信託、消費者金融など多くのグループ会社を持つ銀行グループとして顧客視点の機能が十分に発揮できておらず、強化が必要との認識を示した。

  現在のグループ会社は新生銀の下で連携している形だが、川島氏は「新生フィナンシャルホールディングス」という概念の下に銀行を含めた各グループ企業がフラットに並ぶ形が望ましいとの考えを表明。横串を刺して「顧客を良い意味で共有する」サービスを展開し、最終的に収益につなげていくと語った。

  新生銀は23日、顧客中心の組織体制に移行する一貫として、グループ本社内に新たに「グループ戦略企画部」を設置し、法人ビジネス内に「事業共創部」を設けるなどの組織再編を公表。人事では役職名を役割に応じて「チーフオフィサー」から「専務執行役員」や「常務執行役員」に、「GM」を「部長」などに変更し、4月1日付で実施する。

  川島氏は、事業強化には内外的にも「分かりやすさ」が求められるとして、組織再編などに踏み切ったと説明。その上で「グループ会社であろうと子会社であろうと、重要性はいささかの違いもないことをはっきりしておきたい」と述べ、今後も体制面の見直しを進めていく方針を示した。SBIの北尾吉孝社長は新生銀の社名変更へ準備を進めている。

海外基盤の強化

  成長戦略では、ノンバンク領域でSBIグループと連携して企業の合併・買収(M&A)を進める方針だ。川島氏によれば、既に多数の候補案件が挙がっており、SBIの持つ東南アジア出資の実績やノウハウを利用して検討を進めていく考えだ。

  SBIグループはタイ、インドネシア、カンボジア、ベトナムなどアジア地域で証券や銀行のネットワークを築いており、川島氏は、新生銀がSBIグループとなったことでM&Aの「選択肢が広がった」と述べた。

  約3500億円に上る公的資金返済については、次期中期経営計画で「右肩上がりで収益計画がピッチを上げていける」ことを示し、投資家に資本蓄積の見通しを見てもらうと述べた。2022年4月から3年間の経営計画を6月末までに公表するとした。

  川島氏は1985年山口大学経済学部を卒業し、野村証券に入社後、ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)を経て99年にソフトバンク・インベストメント(現SBI)取締役に就任。その後は住信SBIネット銀行社長、SBI副社長、SBI地銀ホールディングス取締役などを歴任した。

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