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円に対する信頼失われてない、為替動向を引き続き注視-日銀総裁

更新日時
  • 為替変動の影響は経済主体で不均一、経済全体としてプラス
  • 財政信認崩れれば金利が高騰、金融緩和効果が損なわれる恐れ

日本銀行の黒田東彦総裁は25日、最近の円安進行について「現時点で円に対する信頼が失われたということではない」と述べた上で、為替動向を引き続き注視していく考えを示した。衆院財務金融委員会での答弁。

  円安の影響に関しては、日本経済に全体としてプラスとの認識を改めて示しつつ、「経済主体によって不均一であることに十分な留意が必要だ」と語った。為替相場は「経済や金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが極めて重要だ」と強調した。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda New Conference
日本銀行の黒田東彦総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  近年の円安は企業収益や設備投資などへのプラス効果が強まっている一方、家計の実質所得の減少などを通じて「日本経済の下押し要因になり得る」と述べた。経済・貿易構造に応じて影響は変わるとも説明した。

  ウクライナ情勢の緊迫化を受けて原油など資源や穀物の価格が一段と上昇する中、ドル・円相場は6年3カ月ぶりに1ドル=122円台まで円安が進行。コスト高が家計所得や企業収益を圧迫し、日本経済に悪影響を及ぼすリスクが懸念されている。

黒田ライン

  総裁は2016年6月、1ドル=125円台まで円安が進行する中、「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と国会で発言。市場はけん制と受け止め円高で反応した。125円は円安が容認される下限の「黒田ライン」として強く意識されている。

  足元の実質実効為替レートが当時よりも円安になっていることについては、日本の物価上昇率が「貿易相手国よりも低めに推移している影響が大きい」と指摘した。

  日本財政への信認が失われれば金利が高騰し、日銀が推進している金融緩和政策が「損なわれる恐れがある」とも述べ、財政の信認確保が金融政策の観点からも重要だとの見解を示した。

他の発言

  • 最近の円安、輸入企業のドル買いや米金利上昇など指摘ある
  • YCCにおける国債買い入れ、あくまでも金融政策が目的
  • 現在の強力な金融緩和を粘り強く続け、経済好循環の下での物価目標達成を目指す
  • コストプッシュの物価上昇、家計の実質所得減や企業収益悪化を通じ景気に悪影響
  • コストプッシュの物価上昇、2%の物価目標の持続的・安定的な実現に繋がらない
  • エネルギー価格の上昇による交易条件の悪化、日本にプラス面ない
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(発言の詳細を追加して更新しました)
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