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ロシア市民はパニック買い、経済は順調との政府見解受け入れず

  • 砂糖やオムツ、ペットフードの需要強まる-輸入品は特に不足
  • ロシア経済はウクライナ侵攻や制裁で深刻なリセッションへ

プーチン大統領によるウクライナ侵攻をきっかけにロシア市民がパニック買いに動く中、まだ供給が潤沢な1つのアイテムは、全ては正常だと安心させようとする当局の言葉だ。

  政府は戦争と広範囲にわたる国際制裁で不意を突かれた同国経済において、生活必需品はまだ豊富にあると毎日のように説明。食料については何も心配することはないとパトルシェフ農相が述べた。産業貿易省によれば、オムツと衛生パッドは大量にある。解熱剤も不足していない。小麦粉についてはサンクトペテルブルクに十分にある。

  しかし、そうした言葉は伝わっていない。

  開戦前から既に価格圧力は高まり、世界の供給網は逼迫(ひっぱく)していたが、ここへきてロシア人は経済的孤立という新たな現実に対応するため、最悪シナリオを見込む通常の買いだめアイテム以外までも買い込んでいる。

  一部の通販サイトでは大手企業の砂糖が在庫切れになり、無名のブランドが3倍の価格で販売されている。生理用ナプキンやオムツ、ペットフード、コーヒーカプセルなどの需要は強く、外国企業の現地生産品や輸入品が特に不足している。

ロシア、ウクライナ侵攻で過去15年分の経済成長を失う見通し-IIF

  ルーブル相場の急落に加え、食品から自動車まであらゆる製品の外国の供給業者が国内での事業を制限ないし停止したためビジネスが停滞する中、ロシア経済は現代史で最も深刻なリセッション(景気後退)の一つに向かっている。当局は銀行の取り付け騒ぎを阻止し、資本規制と緊急利上げを通じて金融市場の落ち着きを取り戻そうと迅速に行動したが、消費者のパニック買いに対する手っ取り早い解決策は持たない。

Consumer Shortages

Russia imports mainly machinery and consumer goods

Source: UN Comtrade, Goldman Sachs

  3月15日から22日にかけて実施された調査では、ロシア人の約4分の1は最近、将来に備えてパスタなどの保存の利く食料品や家庭用化学品を中心に買いだめした。

  ロシア最大の銀行ズベルバンクがまとめた週間統計では、個人消費は今月に入って一時、前年同月比25%も増加していた。侵攻前は1桁台の伸び率だった。

  ルーミス・セイレスの調査アナリスト、クセニア・ミシャンキナ氏は「ロシア経済が状況に適応するには非常に長い時間がかかるだろう」と述べ、「輸入医薬品への依存から脱却を目指す政府の長年の取り組みにもかかわらず、その影響は限定的だ」と指摘した。

  当局は生活必需品に利益率の上限を設定しており、ロシアの小売業者は今月初め、買いだめの報道を受けて「社会的に重要な」食料品の購入を制限した。それでもインフレが弱まる気配はほとんど見えない。インフレ率は1998年のロシア国債デフォルト(債務不履行)以来同国で見られなかった水準である25%に達する可能性があると見るエコノミストもいる。

Inflation Shock

Prices for food staples and basic goods in Russia skyrocketed in one week

Source: Federal Statistics Service

原題:

Panicked Russians Don’t Buy Official Advice That Economy Is Fine(抜粋)

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