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ダイフク社長、半導体向け製品の受注は2025年まで活況-積層化も期待

  • 最先端領域の半導体向けマテハン市場をほぼ独占とアナリストは分析
  • 強みはハード、ソフトの技術力、半導体製造の「血管」として使命感

生産や物流拠点内の保管・搬送システム「マテリアルハンドリング(マテハン)」で世界最大手のダイフクにとって、半導体の需要拡大や技術進化は業績面で強い追い風となっている。下代博社長によると、半導体のクリーンルーム向け搬送・保管システムの受注は少なくとも2025年まで活況が続く見通しだ。

  下代社長は16日のインタビューで、第5世代通信規格(5G)やデータセンター、今後も自動運転などの技術革新が進むことで「半導体の重要性が認識された」と指摘。同社が主力とする最先端半導体向けの設備投資が加速しており、将来的に調整局面を迎える可能性はあるものの、「2025年ぐらいまではこの調子でいくのではないか」と述べた。

Daifuku Co. Chief Executive Officer Hiroshi Geshiro Interview
ダイフク・下代博社長
Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

  1937年設立のダイフクは物流センターや製造業の工場、空港など幅広い業種に搬送システムを納入しており、国内ではユニ・チャームや日立物流、海外では韓国のロッテ製菓の物流拠点やオーストラリアのメルボルン空港などで導入実績を持つ。不足の解消に向け設備投資が盛り上がる半導体分野でも受注拡大を狙っている。

  人手不足や新型コロナウイルスの感染拡大で省力化や自動化ニーズが高まっており、今期(22年3月期)営業利益は前期比8.8%増の485億円を見込む。クリーンルーム事業の売り上げ規模は主力の一般製造業・流通業向けシステムに次ぐ。

  世界的な半導体不足が長期化し、自動車や家電の生産に影響が出る中、半導体メーカー各社は設備投資を積極化させている。半導体受託生産会社の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に新工場を建設するほか、韓国のサムスン電子も米テキサス州に先端半導体工場の建設を発表済みだ。

  SMBC日興証券の谷中聡アナリストは3日付のリポートで、ダイフクは最先端領域の7ナノメートル以下のロジック半導体向けマテハン市場をほぼ独占していると分析。旺盛な半導体需要を背景に、クリーンルーム事業の売上高は中長期的に成長するとみている。

  下代社長は、具体的なシェアについては言及を控えたものの、「3ナノ、5ナノ向けはたくさん納入させていただいている」と発言。同社の強みとして、シリコンウエハーを運ぶ際の振動を軽減する技術に加え、人工知能(AI)を活用してシリコンウエハーを入れた箱を効率良く動かすソフトウエアの存在を挙げた。

Daifuku's overhead conveyors
ダイフクのクリーンルーム向け搬送・保管システム
Source: Daifuku Co.

  半導体工場のクリーンルームでは、天井に張り巡らされたレールの上を1工場当たり数百台、複数の工場を連結する場合は1000台以上の台車が走る。下代社長は「われわれの装置が動かなくなると、いくら装置が並んでいても半導体ができない」と強調。自社のマテハン技術を血管に例え、「大切な臓器の間をきちっと運ぶことがわれわれの使命」だと話す。

  ダイフクでは今後、半導体の積層化に対応した製品で新たな需要を掘り起こすことにも注力する。微細化技術の進化にはいずれ限界が訪れるとみられる中、同社は積層化に対応した製品を開発しており、既に受注したという。

  半導体の不足は同社にも影を落とす。下代社長は自社製品に使う半導体の調達状況について、在庫を積み増したり、先行手配するなどして「これまでは大きく納期を逸脱したり、間に合わないことはなかった」と述べた。ただし、来期以降の調達状況は予測が難しいとして、今後の状況を注視する考えだという。

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