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東芝が24日に臨時総会、2社分割計画にアクティビストから逆風止まず

  • 筆頭株主エフィッシモは「中長期的な企業価値高めるか懸念」と反対
  • 分割案否決なら非公開化の議論再燃の可能性も-東芝側は抵抗の姿勢

東芝は24日に臨時株主総会を開き、同社が目指す2社分割計画の是非などについて株主に諮る。可決に向けて会社側が分割案の修正や経営陣の刷新にまで踏み切ったのに対し、物言う株主(アクティビスト)は厳しい視線を崩していない。

  都内で同日午前10時から開かれる総会では、デバイス事業を分離してインフラサービス事業を含む東芝本体と合わせて2社とする分割案のほか、第2位株主の3Dインベストメント・パートナーズが提案した戦略の再検討を求める議案も諮る。出席株主の過半数の賛成が必要で、否決された場合には株式の非公開化を含めた計画の見直しを行うとしている。

  ただ、この決議は法的拘束力を持たず、再編計画の正式決定は2023年の定時総会となる。

  東芝の分割計画を巡っては混乱が続いた。昨年11月に公表した当初案はインフラサービス事業も分離、上場させる3社分割計画だったが、一部株主が反対を表明したことなどで計画を修正。トップ人事についても臨時総会前に刷新する必要があると判断し、今月1日付で暫定人事を断行した。

相次ぐ反対

  東芝の分割計画に関して沈黙を貫いてきた筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントは10日、「分割は中長期的な企業価値を本当に高めるのか大きな懸念がある」「現在の経営体制は不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を適切に策定し、執行していく体制ではない」として会社案に「賛成できない」との意見を表明した。

  これと前後して米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラスルイスも分割案に反対票を投じるよう株主に勧告。両社の勧告は海外投資家が参考にすることもあり、21年3月末時点で「外国法人等」の株主が過半数を占める東芝にとって、影響は大きい。

  3Dは東芝の戦略委員会と取締役会に対し、株式の非公開化を含めた戦略の再検討を要求し、臨時総会に自ら議案を提案。大株主のファラロン・キャピタル・マネジメントも非公開化が最善の解決策だと主張する。

  香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー氏はCNBCのインタビューで、2社分割計画が総会で受け入れられる可能性は低く、株式の非公開化のプロセスが開始される可能性が最も高いと述べた。

  一方、東芝の社外取締役を務めるレイモンド・ゼイジ氏は会社が反対している株主提案について、賛成票を投じるとした書簡を公開した。

株主との対立

  東芝の経営を巡る問題は15年に発覚した不正会計問題にさかのぼる。その後、米原子力発電事業で7000億円超の損失を出し、メモリー事業の売却に追い込まれた。17年には海外投資家を引受先にした6000億円の第三者割当増資を実施。アクティビストを自ら招き入れた。

  慶應義塾大学ビジネススクールの小幡績准教授は「東芝は会社を立て直して長期的な力を取り戻すことを目指し、アクティビストは短期で利幅を取って売り抜けるのが唯一最大の目的」で、「水と油の関係」だと指摘した。  

  低迷している東芝の株価水準も対立の一因になっている。株主の米投資会社、アーチザン・パートナーズのレゾ・カノビッチ氏は東芝株は「極端な過小評価がある」と述べた。量子暗号通信やパワー半導体、再生可能エネルギー関連技術を持つ東芝は少なくとも現状の2倍から2.5倍の価値があるとみる。

非公開化の議論再燃も

  総会で2分割案が否決された場合、非公開化の議論が再燃する可能性がある。会社役員育成機構の代表理事を務めるニコラス・ベネシュ氏は、非公開化は政府の関与を勘案すると実現可能性はわずかだが、「最も魅力的な選択肢のようにみえる」と述べた。

  一方、慶応大の小幡氏は、非公開化は現実的に買い手はなくリスクもあるため、アクティビストは「もっと現実的な提案をすべきだ」と述べた。唯一の解決策は早期のキオクシアホールディングスの上場、それに伴うキャッシュアウトによりアクティビストが東芝株を売却することだと指摘する。

  東芝の島田太郎社長兼最高経営責任者(CEO)は1日の就任会見で、2社分割計画は予定通り進捗させる方針で、計画の撤回や非公開化は「現在検討する段階にない」と話した。綱川智前社長は先月行われたブルームバーグのインタビューで、非公開化は現状のままではデメリットが多く、社員を「いばらの道に進ませる可能性がある」と述べていた。

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