コンテンツにスキップする

パウエル氏、市場の懸念和らげる-リセッション確率「高くない」

更新日時
  • 近いうちに経済が下降する兆しはほとんどないと指摘
  • 発言後に米株価指数は急伸、ナスダック100は1年ぶり大幅高

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は16日、この日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で決定した4年ぶり利上げが米経済を抑制することはないとの見解を示した。これを受け、株式市場は高揚感に近い雰囲気に包まれたが、そうした状況は長続きしないことを過去の例は示している。

  0.25ポイント利上げの発表後、市場は当初揺れたが、パウエル議長が経済成長のペースを繰り返し確認する発言をしたことで、すぐに持ち直した。同議長は、近いうちに経済が下降する兆しはほとんどないと指摘し、向こう1年間のリセッション(景気後退)の確率は「特に高くない」と述べた。

Fed Chair Powell Holds Virtual News Conference Following FOMC Rate Decision
オンライン形式で記者会見したパウエルFRB議長(3月16日)
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  パウエル氏の発言後、株価指数は急激に切り返した。S&P500種株価指数は議長会見の開始直後に上げを消す場面もあったが、結局は2%余り上昇して引けた。ナスダック100指数は3.7%高と1年ぶりの大幅高となった。

  相場の動きは、リスクの認識が急速に変化していることを物語っている。かつては景気への信頼を示す発言だけで株式相場が揺れることもあった。利上げの根拠となるためだ。だが今やリセッションがより大きな懸念となっているため、そうした発言は歓迎されるようになっている。

  デファイアンスETFのシルビア・ヤブロンスキー最高投資責任者(CIO)は「雇用情勢はかつてないほど堅調だ。失業率は基本的に新型コロナウイルス禍前の水準を下回っている。個人消費はかなり健全で、個人の貯蓄残高は2兆7000億ドル(約320兆円)と、なお過去最高水準にある」と指摘。「リセッションに陥ることは本当に考えにくい」と述べた。

S&P 500 rebounded sharply after Powell started speaking
 
 

  リスク資産を押し上げたのは、パウエル氏発言だけではないことは明らかだ。中国が国内の金融市場を支える方針を表明し、これまで売られていたテクノロジー銘柄が回復。ロシアとウクライナの交渉前進の兆しも好感された。

  金融引き締めサイクルの初期段階で株式相場が上昇することも珍しくない。1990年以降、最初の利上げが発表された5回のFOMC会合のうち4回でS&P500種は上昇。景気の健全性に関する表明後に相場が上げた例が多い。

  CBOEボラティリティー指数(VIX)はパウエル氏の発言のさなかに低下したが、この2週間のほとんどの期間、過去の平均である30を上回っていた。ロシアのウクライナ侵攻でインフレ状況が悪化するとの懸念で、S&P500種は14日までの11営業日中9営業日で下落した。

Excluding Covid shock, U.S. financial conditions are at 2018 levels
 
 

 

原題:

Powell Quiets Stock Cacophony by Scoffing at U.S. Recession Talk(抜粋)

(VIXの動きなどを追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE