【米国市況】株が大幅続伸、FRB議長が景気に強気な発言-円下落
Rita Nazareth
Steam rises above vehicles near the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S., on Thursday, Dec. 27, 2018.
Photographer: John Taggart/Bloomberg16日の米株式相場は大幅続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)が2018年以来となる利上げを決定したあと、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が経済成長見通しに楽観的な姿勢を示したことが好感された。
FOMC、政策金利0.25ポイント引き上げ-インフレ抑制に着手
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S&P500種株価指数はFOMC政策決定後に一時下げる場面もあったが、持ち直した。パウエル氏は「景気は非常に強く」金融政策引き締めに対応できるとし、リセッション(景気後退)の確率は「特に高まっていない」と付け加えた。
S&P500種は前日比2.2%高の4357.86。ダウ工業株30種平均は518.76ドル(1.6%)上げて34063.10ドル。ナスダック総合指数は3.8%上昇。
米国債市場では、短期債中心に利回りが上昇。ただ、利回りは終盤に上げ幅を縮小した。ニューヨーク時間午後4時43分現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.18%。2年債利回りは10bp上昇の1.94%。
FOMCは8兆9000億ドル(約1052兆円)に膨らんだバランスシートについて、「今後の会合」で縮小を開始するとしたが、具体的な説明はなかった。パウエル氏はバランスシート縮小のプロセスを早ければ5月の会合で開始できる可能性があるとの考えを示した。
Eトレード・ファイナンシャルの投資戦略担当マネジングディレクター、マイク・ローウェンガート氏は「FOMCはついに利上げを発表した。そこにサプライズはない」と指摘。「利上げは景気が政策引き締めを乗り越えられるほど十分に好調だという信任票を意味する」と述べた。

外国為替市場ではドル指数が下落。FOMCの利上げ発表を受けて、一時は上昇する場面もあったが、上げを消した。大半の主要10通貨がドルに対して上昇。一方、スイス・フランと円は対ドルで値下がりした。
ニューヨーク時間午後4時44分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%低下。ドルは対円では0.4%高い1ドル=118円73銭。一時は119円12銭を付ける場面もあった。ユーロは対ドルで0.7%上昇し1ユーロ=1.1037ドル。
ニューヨーク原油先物相場は3営業日続落。リビアは石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」に供給拡大の加速を促した。ロシアとウクライナの和平交渉で進展の可能性が示唆されたことも材料視された。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前日比1.40ドル(1.5%)安い1バレル=95.04ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は1.89ドル下げて98.02ドル。
金スポット相場は下げを埋めた。FOMCの利上げ発表を受けて、米国債利回りが伸び悩んだことが背景。
スポット価格はニューヨーク時間午後3時52分現在、前日比0.5%高の1オンス=1927.02ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限はFOMC政策発表前に、1.1%安の1909.20ドルで終えた。
原題:Stocks Rally on Powell’s Bullish Economic Remarks: Markets Wrap(抜粋)
Stocks Rally on Powell’s Bullish Economic Remarks: Markets Wrap(抜粋)
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