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ECB、債券購入縮小急ぐ-ウクライナ戦争がインフレ高める恐れ

更新日時
  • 今年のインフレ予想は大幅上方修正、戦争は「相当な上振れリスク」
  • 債券購入は早ければ7-9月にも終了、利上げ時期の文言は変更
会見するラガルドECB総裁

会見するラガルドECB総裁

Photographer: Alex Kraus/Bloomberg

欧州中央銀行(ECB)は10日、予想に反して金融緩和解除を加速させた。ロシアのウクライナ侵攻が記録的な高水準にあるインフレをいっそう押し上げる恐れがあり、ECBはインフレを成長減速よりも懸念していることを示唆した。

  ECBは、ウクライナでの戦争は欧州にとって「転換点」だと指摘。資産購入プログラム(APP)による債券購入は5月から減らし始め、7-9月(第3四半期)にも終了させる方針を示した。ただ、利上げはその直後とは限らないとくぎを刺した。

  ラガルド総裁は記者会見で、「政策委員会はインフレ率が中期的に2%の目標で安定する可能性が強まっているとみている。ウクライナでの戦争は特にエネルギー価格への相当な上振れリスクだ」と説明した。

 

Inflation Outlook

ECB revised up consumer-price projections amid energy shock

Source: Eurostat, ECB, Bloomberg economist survey conducted Feb. 25-March 2

  エコノミストらはECBが事態を見極めるために重要な政策判断を遅らせると見込んでいたため、決定は予想外だった。

  ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う原油と天然ガスの値上がりがインフレ率を2月の5.8%からさらに加速させることはほぼ確実とみられ、金融緩和の継続が難しくなった。

Growth Outlook

ECB lowers 2022 projection to 3.7% from 4.2%

Source: ECB

 

  エネルギー価格急騰を踏まえ、ECBは今年のインフレ率予想を5.1%と前回予測の3.2%から引き上げた。ラガルド総裁によると、24年の予想は1.9%と、ECBの目標に近い。

  債券購入は5月に月300億ユーロ(約3兆8300億円)、6月に200億ユーロに減らすとしている。

  総裁は購入減少について、「金融引き締めという話ではなく、正常化ということだ」とし、資産購入がもたらす効果は終わりに近づいているため「購入ペースを減速させる必要がある」と語った。

  ECBはまた、政策金利についてのガイダンスを変更した。現行よりも「低く」なり得るとの文言は削除し、利上げを行う場合は「緩やか」なものになると付け加えた。利上げ時期は債券購入終了の「直後」に代わって、「しばらく後」に実施するとした。

  このアプローチは行動の前に状況を検証する余裕をいっそうもたらすと総裁は説明。「『しばらく後』という表現によって、データを検証する十分な時間枠が取れる。不確実性が幾分後退したことを確認してから、決定を下すことができる」と述べた。

  ロシアの侵攻は「不確実性を大きく高めた」とも指摘。「現在の不確実性を踏まえ、何もしない方がよい」と主張するメンバーもいたと明らかにした。

 

原題:ECB Surprises With Faster Stimulus Exit on Risk to Inflation (1)、War in Ukraine Is Substantial Upside Risk to Inflation: Lagardemm、ECB Decided to Add Optionality for Agile Response: Lagard、ECB Surprises With Faster Stimulus Exit on Risk to Inflation (1)(抜粋)

(ラガルド総裁の会見内容など詳細を加えて更新します)
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