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ユニクロも一転、ロシア事業見直し相次ぐ-日本企業でも「人権重視」

更新日時
  • 継続方針示していたユニクロが事業を一時停止、戦争反対の姿勢強調
  • エプソンや資生堂も人権重視の観点から事業の停止を決断

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本企業でロシアでの事業を見直す動きが相次いでいる。事業継続の方針を示していたファーストリテイリングが一転して一時停止を決め、戦争反対の姿勢を強調した。セイコーエプソン資生堂も、人権重視の観点を前面に出した声明文を公表。欧米企業に続き、日本企業の間でも「人権重視」の動きが出てきた。

Fast Retailing Chairman and CEO Tadashi Yanai Opens New Uniqlo Flagship Store In Tokyo
ユニクロのロゴ
Source: Bloomberg

   衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは10日夜の声明で「人々の人権を侵害し、平穏な生活を脅かすいかなる攻撃をも非難する」とした上で、事業の一時停止を発表した。

  同社の柳井正会長兼社長は「衣服は生活の必需品。ロシアの人々も同様に生活する権利がある」として同国内での事業を継続する方針を示していたが、ウクライナの駐日大使がユニクロを名指ししてロシア事業の継続方針を批判。ツイッターでは、ユニクロへの失望や製品購入をやめると宣言する書き込みもみられ、軌道修正を余儀なくされた形だ。

  エプソンは9日、「ウクライナおよびその周辺国における現在の深刻な状況について、憂慮に堪えない」とした上で、人権の尊重を掲げる立場から、ロシアとベラルーシとの取引を原則停止すると発表した。

  同社広報担当者によると、小川恭範社長を統括責任者とする危機管理委員会を本社に立ち上げ、オランダ・アムステルダムの地域本部から情報を収集しつつ、今回の判断に至ったという。

  資生堂もホームページ上で、ウクライナの人々が抱える恐怖と不安に「深く心を痛めている」と表明。ロシア向けの輸出・出荷の即時停止と、同国での広告宣伝を全面中止するとし、今後も「人道的な見地で対応していく」との方針を公表した。

  人道的観点に基づいたロシア事業の見直しは、米ウォルト・ディズニーが2月28日、アップルが3月1日にそれぞれ声明を出すなど、海外企業が早い段階でかじを切っていた。

  第一生命経済研究所の田中理・主席エコノミストは「特にグローバルで事業を展開する企業は、最終消費者や投資家などさまざまな視線にさらされており、人権の面を考慮した経営判断が迫られている」と指摘。

  人道的観点からの事業見直しという点では、海外企業にやや遅れを取ったものの「日本企業も敏感に反応しており、人権重視の考え方が浸透してきている」と話した。

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