コスモHD、筆頭株主アブダビ政府ファンドが全株売却-提携解消
稲島剛史、沢和世
更新日時
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保有する1330万株を全て売却、試算される売り出し総額は389億円
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UAEは日本にとって2番目の原油供給国、コスモには07年資本参加

Signage is displayed at a Cosmo Oil Co. gas station in Yokohama, Kanagawa Prefecture, Japan
Photographer: Akio Kon/Bloombergコスモエネルギーホールディングス(HD)は9日、同社の筆頭株主であるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメント(MIC)の子会社が、保有する全てのコスモHD株式を売却すると発表した。
発表によると、MIC子会社のインフィニティ・アライアンスによる売り出し対象となるのは1330万株(保有比率15.69%)で、価格は需給状況などを勘案した上で早ければ9日にも決定する。同日終値を基に試算すると売り出し総額は約389億円になる。
UAEは日本にとってサウジアラビアに次ぐ原油の供給国で、昨年の輸入量の3割超を占めた。コスモHDは2007年にアブダビ国営の投資ファンドに20.76%の株式を割り当て、その後は石油開発などの面で同国との関係強化を図ってきた。
今回の株式売却後は両社の資本・提携関係は解消される予定だが、コスモHDは「引き続き良好な関係を継続していくことをムバダラと確認」しているという。アブダビでの石油開発事業や原油の安定調達といった事業活動への影響はない。
コスモHDの社外取締役を務めるMIC幹部のアブダッラー・ムハンマド・シャディード氏とアリ・アル・ダヘリ氏は辞任する。
MICは昨年8月にもコスモHDを売却し、保有比率は20.76%から15.69%に減少していた。
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