トヨタがロシアの工場の稼働4日から停止、部品供給の問題で
稲島剛史-
「広く公正な視野で必要な意思決定」、ロシアへの完成車輸出も停止
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ロシアのウクライナ侵攻に批判高まる、日本の自動車メーカーも対応

トヨタ自動車は3日、部品供給の問題でロシアの工場での自動車生産を4日から当面の間、止めることを決めたと発表した。
発表資料によると、トヨタはロシア西部のサンクトペテルブルク工場での稼働を停止するほか、他地域からロシアへの完成車の輸出も取りやめる。
トヨタはロシアで168の販売やサービス拠点を持っており、サンクトペテルブルク工場では主力の多目的スポーツ車(SUV)の「RAV4」やセダン「カムリ」を現地向けに生産している。トヨタのロシア工場を先に報じていた日本経済新聞によると、昨年は同工場で約8万台を生産したという。
ウクライナに軍事侵攻したロシアを巡っては、各国で批判が高まっており、欧米企業の間では現地での事業や販売から撤退する動きが相次いでいる。日本の自動車業界でもホンダやマツダが完成車や部品の輸入の停止を決めるなど同様の対応が広がっている。
トヨタはウクライナでは2月24日以降、販売・サービスなどすべての事業活動を停止している。
ホンダがロシアに完成車輸出停止、物流や金融混乱-マツダは部品 (1)
トヨタは発表資料で、「ウクライナの人々の安全を憂いており、一刻も早く平和で安全な世界が戻ることを願いながら、ウクライナ情勢を注視」していると表明。ウクライナとロシアで事業を行う企業として、同社が最優先するのは従業員や販売スタッフ、仕入れ先の安心や安全だとし、「広く公正な視野で事態を見極めた上で」、必要な意思決定をしたと説明した。
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