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シェルがサハリン2撤退、対ロ制裁で合弁解消-三井と三菱も参画

更新日時
  • ガスプロムに加え、プーチン氏との関係深い大企業との提携解消へ
  • 天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」からも手を引く
An employee watches over the oil storage facility illuminated at night in the custody transfer facility at the Salym Petroleum Development oil fields near the Bazhenov shale formation in Salym, Russia.
An employee watches over the oil storage facility illuminated at night in the custody transfer facility at the Salym Petroleum Development oil fields near the Bazhenov shale formation in Salym, Russia. Photographer: Andrey Rudakov

国際石油資本(メジャー)の英シェル(旧ロイヤル・ダッチ・シェル)は2月28日、三井物産と三菱商事が参画し、日本に液化天然ガス(LNG)を供給している極東サハリンの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から撤退すると発表した。

  ロシアのウクライナ侵攻を受け、LNGの大型プロジェクトを含めロシアのガス合弁事業から手を引く。

  サハリン2は、権益の過半数を保有するロシアの天然ガス独占企業ガスプロムとの合弁事業で、シェルが27.5%、三井物が12.5%、三菱商が10%それぞれ出資。シェルはエリツィン大統領の時代にさかのぼる投資の解消に伴い、多額の損失を計上する見通し。

  三井物と三菱商の広報担当は、シェルの発表内容も含めて詳細を分析した上で、政府や関係者と対応の検討を進めるとコメントした。財務省の貿易統計によると、2021年の日本のロシアからのLNG輸入量は約657万トンと全体の8.8%を占めた。

  同社はガスプロムに加え、ロシア政府の管轄下にあり経営陣とプーチン大統領の関係が深い他の大企業との提携関係も解消する。英BPも27日、ロスネフチの持ち株処分に向けて動き、最大250億ドル(約2兆8800億円)の評価損を計上する可能性を明らかにしている。

英BP、露ロスネフチの持ち株処分へ-2.9兆円の評価損計上も

  シェルのベン・ファンブールデン最高経営責任者(CEO)は「事業撤退の決定は確信を持って行う」とし、「われわれは傍観してはいられないし、今後もそうすることはない」と語った。

  今回の動きは英政府の圧力を受けたものだ。英政府は米国や他の同盟国と共にロシア経済を圧迫し、ウクライナ侵攻が経済的な破綻を意味することをプーチン大統領に理解させようと取り組んでいる。

  シェルはロシアからの撤退に伴う財務面の打撃の規模に言及しなかったが、合弁事業の非流動資産は30億ドルに上ると明らかにした。

  シェルはLNGプロジェクトのサハリン2とサリム石油開発プロジェクトの権益をそれぞれ27.5%、50%保有する。同社は昨年、こうした事業で7億ドルの調整後利益を得た。

  シェルはシベリア北西部ギダン半島での資源開発に向けたガスプロムとの合弁事業で権益を手放すほか、ドイツ当局が承認を事実上凍結した天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」からも手を引く。  

原題:Shell Quits Russia Gas Ventures as Political Pressure Mounts (3)(抜粋)

 

(三井物と三菱商のコメントを追加して記事を更新します)
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