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ウクライナ侵攻で原発リスク浮き彫りに-原子炉15基ほぼフル稼働

更新日時
  • 稼働中の原子力発電所周辺での戦争は例がない
  • ロシア軍、チェルノブイリ原発を掌握-発電施設の運営は安定
The Zaporizhzhia nuclear power plant in Enerhodar, Zaporizhzhia Region, southeastern Ukraine, in 2019.

The Zaporizhzhia nuclear power plant in Enerhodar, Zaporizhzhia Region, southeastern Ukraine, in 2019.

Photographer: Dmytro Smolyenko/Barcroft Media/Getty Images

ロシアは、ウクライナ国内の原子炉15基がフル稼働に近い状態にある中で軍事侵攻に踏み切った。ウクライナ原発の安全性に対するリスクが浮き彫りになっている。

  ロシア軍はこれまでにチェルノブイリ原発を掌握。インタファクス通信が25日報じたところによれば、ロシア国防省は同原発の警備担当者らと合同で安全管理を行うことで合意が成立し、自然放射線量は通常のレベル内だと主張している。

  国際原子力機関(IAEA)の査察官は24日遅くの電子メールで、状況について重大な懸念を抱いており、ウクライナの原子力安全当局と連絡を続けていると説明した。原子炉には電力と水の安定した供給が必要で、いずれも軍事行動でリスクにさらされかねないという。

  IAEAによると、ウクライナ治安部隊は同日、1986年に爆発事故が起きたチェルノブイリ原発の周辺地域のコントロールを失った。負傷者や同原発から残留放射線が漏れるのを防ぐ構造への被害はなかったという。

 

Nuclear Wasteland Home To World's Unlikeliest Green Energy Experiment
チェルブイリ原発近くの放射性廃棄物貯蔵施設(2018年2月28日)
Photographer: Vincent Mundy/Bloomberg

  IAEAのグロッシ事務局長は、「このゾーンの原子力施設の安全な運営への影響と混乱を避けることが非常に重要だ」と説明。「IAEAは特に原発の安全性の観点からウクライナ情勢を注視している」とした。

  ウクライナの原子力発電は欧州でフランスに次ぐ2番目の規模。ウクライナ原子力発電公社エネルゴアトムは24日、ロシア軍の侵攻後も発電施設の運営は安定していると発表資料でコメントした。

  原子力施設が攻撃を受けた例は過去にもイラクやイランなどであったが、稼働中の原発周辺で戦争が勃発したのは初めて。

原題:Invasion Is Putting Ukraine’s Nuclear Reactors at Risk (1)(抜粋)

(第2段落を追加します)
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