バイデン米大統領、ロシア制裁強化-ウクライナ「侵攻の始まり」
Jordan Fabian、Josh Wingrove-
ロシアが「侵略を続ける場合」は追加制裁に踏み切る意向も示した
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「ロシア政府が西側から資金調達する手段を遮断する」と米大統領

U.S. President Joe Biden speaks on Russia and Ukraine in the East Room of the White House in Washington, D.C., U.S., on Tuesday, Feb. 22, 2022.
Photographer: Samuel Corum/Bloombergバイデン米大統領は、ロシアのプーチン大統領が取った行動はウクライナ「侵攻の始まり」だと非難し、ロシア国外での国債取引と同国のエリート層を標的とする制裁の発動を明らかにした。
バイデン氏は22日にホワイトハウスで演説し、「プーチン氏は武力によって領土を広げる根拠を築きつつある」と述べ、「これはロシアによるウクライナ侵攻の始まりだ」と断言した。

ロシアの「ウクライナ侵攻」が始まった-バイデン米大統領が言明 (1)
バイデン氏はまた、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛を目的として、バルト3国に米軍を増派すると発表。この日公表した制裁は第1弾だとし、ロシアが「侵略を続ける場合」は、追加制裁に踏み切る意向も示した。
プーチン氏は親ロシア派武装勢力が独立を宣言していたウクライナ東部2地域を共和国として承認する大統領令に署名。こうした動きを受け、米国などが制裁発動に動いた。プーチン氏はロシアによるウクライナ侵攻の意図を否定している。
バイデン氏はロシアの新発ソブリン債を対象に「包括的」な制裁を導入すると表明。「つまり、ロシア政府が西側から資金調達する手段を遮断する。ロシアは今後、西側諸国からの資金調達が不可能になり、新たに発行する国債を米国と欧州の市場で取引できなくなる」と語った。
国際金融協会(IIF)のエグゼクティブバイスプレジテント、クレイ・ラウリー氏は今回の措置について、「短期的にはロシア経済に大きな影響を及ぼす可能性は低い。だが長期的には、欧州諸国の動きも重なり、ロシアの経済成長を妨げる公算が大きい」と分析した。
ブリンケン米国務長官は22日、ジュネーブで24日に予定していたロシアのラブロフ外相との会談を中止したと記者団に明らかにし、今やロシアがウクライナへの「侵攻」を開始したと認識しており、外相会談を進めることは「意味がない」と主張した。
米国務長官、ロシア外相との会談中止-ウクライナ「侵攻」開始と認識
ホワイトハウスのサキ大統領報道官は22日の記者会見で、バイデン大統領がロシアのプーチン大統領と会談する予定は現時点でないと説明した。
22日に発表された制裁は、一部投資家が警戒していたロシアの大手銀行を標的としない代わりに防衛セクター向けや経済開発目的の融資を行うロシア開発対外経済銀行(VEB)とプロムスビアズバンクが対象となる。
米国は制裁を通じて両行の米国資産を凍結し、米国人との取引を禁止するほか、国際金融システムから締め出しドル資金へのアクセスを遮断する。さらにセルゲイ・キリエンコ氏らプーチン氏に近い3人とその親族も米金融システムへのアクセスから排除される。
バイデン大統領は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」計画を前進させない方向で米国とドイツが連携することも確認した。
原題:Biden Ups Russia Sanctions, Calls Ukraine Invasion Underway (2)(抜粋)