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LMEニッケル在庫巡り臆測渦巻く-中国商品業界の「大物」劣勢に

  • 青山控股集団の創業者、項光達氏はショートポジションを積み上げ
  • ニッケルはここ1年で25%余り値上がりしている

中国の商品業界で「大物」と呼ばれているのが青山控股集団の創業者、項光達氏だ。世界最大のニッケル生産会社を率い、相場動向をにらみ大掛かりなデリバティブ(金融派生商品)取引を行うのも恐れない。

  気候変動との闘いで重要な役割を果たすニッケルを巡り、ここ数年の大きな価格変動の背後にいる人物として項氏が浮上している。事情に詳しい関係者によれば、項氏を含む何人かの中国勢は相場下落リスクに対する自社生産のヘッジとしてニッケルのデリバティブでショートポジション(売り持ち)を積み上げている。だが項氏は今、珍しいことに取引の負け組の側にいる。

Soaring nickel prices batter Xiang’s short positions
 
 

 

  ニッケルはここ1年で25%余り値上がりし、1月には10年ぶりの高値に達した。電気自動車(EV)バッテリーに使われるニッケルの需要が急増する一方で、市場の指標は供給のタイトさを示している。ロンドン金属取引所(LME)の在庫は2019年以来の低水準となり、ニッケル現物価格の先物(3カ月物)に対するプレミアムは過去最大となった。

  LMEで今、注目を集めているのは9日時点でニッケル在庫の少なくとも半分を握っていた市場参加者がいたことだ。この参加者の身元についての臆測が渦巻く中で、項氏は劣勢に立たされている。

  「LMEは少し圧迫されている」とマッコーリー・セキュリティーズのシニア商品コンサルタント、ジム・レノン氏は述べる。  

 

Nickel positions shift into longer-dated contracts
 
 

  こうした状況が示しているのは、ニッケル市場には極めて大きな存在感を示す少数のプレーヤーがいるということだ。米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はEVバッテリーの生産を増やす上で最大のハードルの1つがニッケル不足だと指摘している。

  項氏が19年に在庫を集めるとニッケル相場は上昇。一方、同氏が21年の早い時期にバッテリー向け供給品の生産で安価な手法を公表すると、ニッケル価格は一時的に大きく下げた。

  ニッケル価格上昇が、非上場企業の青山にとってどの程度のリスクなのかは明らかではないが、値上がりが続けばショートポジションによってニッケル生産で得た同社の利益に悪影響が及ぶ可能性もある。青山に何度かコメントを求めたが、返答は得られていない。

relates to LMEニッケル在庫巡り臆測渦巻く-中国商品業界の「大物」劣勢に
インドネシアにある青山の生産施設
Source: Google Maps

 

原題:Trader Known as ‘Big Shot’ Battles Mystery Nickel Stockpiler(抜粋)

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