【米国市況】株続落、国債利回り曲線フラット化-原油95ドル突破
Rita Nazareth14日の米株式相場は続落。米金融当局の政策ミスが懸念される中、地政学的イベントの最新動向を見守る展開となり、値動きは荒かった。
|
S&P500種株価指数は3営業日続落。ウクライナのゼレンスキー大統領の発言を受けて市場が動揺する場面があった。同大統領は演説で、他の国々がロシアによる侵攻リスクを誇張していると非難。攻撃が行われる可能性がある日として一部の国の政府が挙げている16日はウクライナの国家団結の日にすべきだとした。大統領の報道官はのちにこれが皮肉を込めた発言だったと釈明した。
一方、ロシアのラブロフ外相は、米国および米同盟国との協議を続けるべきだとプーチン大統領に伝えた。
S&P500種は前週末比0.4%安の4401.67。ダウ工業株30種平均は171.89ドル(0.5%)安の34566.17ドル。ナスダック総合指数は上げを失い、ほぼ変わらず。
米国債市場ではニューヨーク時間午後4時24分現在、10年債利回りが6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.99%。利回りは短期債を中心に上昇し、2年債および10年債の利回り格差が縮小。イールドカーブがフラット化した。
市場が織り込む今年の米利上げ回数が6回ないし7回にシフトして以来、投資家は神経をとがらせている。セントルイス連銀のブラード総裁はインタビューで14日、利上げ計画を前倒しし、インフレとの闘いに関する米連邦準備制度理事会(FRB)の信頼性を確実にすべきだと述べた。
JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジスト、オクサナ・アロノフ氏はブルームバーグテレビジョンに対し、金利上昇のシナリオでは債券にとって「良好な結末は見いだしにくい」と指摘。「現在はかなり混乱した状態といえる。FRBが犯した失策のただ中にあり、次の政策ミスも懸念されている。慎重な構えが最も重要な時だ」と語った。
外国為替市場ではスイス・フランと円が対ユーロで上昇。ウクライナを巡る地政学的な緊張が意識され、安全逃避の流れとなった。リスクに敏感なスウェーデン・クローナやニュージーランド・ドルといった通貨は下げた。ドル指数は米2年債利回りに連れる格好で上昇した。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。ニューヨーク時間午後4時24分現在、ドルは対円で0.1%高の1ドル=115円57銭。ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.1301ドル。
ニューヨーク原油先物相場は急伸し、4営業日続伸。ロシアとウクライナの間で地政学的な緊張がくすぶる中、神経質でボラティリティーの高い状況が続いた。
ICAPのエネルギースペシャリスト、スコット・シェルトン氏は「原油への影響がはっきりしないほか、在庫水準が驚くほど低い中、市場は間違いなく不安で買いを入れている」と分析した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、前営業日比2.36ドル(2.5%)高の1バレル=95.46ドルで終了。終値で95ドルを上回るのは2014年以来初めて。ロンドンICEの北海ブレント4月限は2.04ドル高の96.48ドルで終えた。

ニューヨーク金先物相場は続伸。ウクライナを巡る地政学的な緊張が続く中、金の買いが新たに強まった。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、1.5%高の1オンス=1869.40ドルで終了した。
原題:Stocks Fail to Hold Gains as Treasury Yields Jump: Markets Wrap(抜粋)
Havens Gain on Ukraine Concern; Euro Under Pressure: Inside G-10(抜粋)
Oil Jumps to $95 as Price Volatility Rises on Ukraine Tensions(抜粋)
Gold Approaches Three-Month High as Ukraine Tension Lifts Havens(抜粋)