ロシア、来週にもウクライナに対し行動に出る恐れ-米政府が警告
Alberto Nardelli、Jennifer Jacobs-
空爆とミサイル攻撃で始まる可能性がある-サリバン氏
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米国はウクライナの隣国ポーランドに3000人の追加派兵

米国はロシアが早ければ来週、北京冬季五輪が閉幕する前にウクライナに対し軍事攻撃に出る、ないしウクライナ国内で衝突を引き起こす恐れがあるとみている。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が明らかにした。
サリバン氏は11日のホワイトハウスでの会見で、そうした事態は北京冬季五輪の閉幕後にしか起きないとの見方が多いが、「五輪期間中に始まる恐れはある」と言明。「いま言えるのは、五輪閉幕前であってもロシアが軍事行動を起こすという信頼し得る見通しがあるということだ」と語った。
その上で、ロシアのプーチン大統領について「彼はいかなる最終決定も下していないと米国は考えているが、何らかの最終決定を下したか定かではない」と説明した。
ロシアによる攻撃については、空爆とミサイル攻撃で始まる可能性があり、その場合は民間人に多大な犠牲が出ると指摘。ウクライナ在住の米国人に可能な限り早期に退避するよう強く呼び掛けた。
サリバン氏は「ロシアの軍事行動の具体的な形態や範囲を予測することは当然不可能だ」とした上で、「さまざまな形態になり得る。より限定的となる可能性がある一方、より広範に及ぶこともあり得る。だがウクライナの領土の相当規模が奪われ、首都を含む主要都市が掌握されるなどの極めて現実的な可能性が存在する」と述べた。
事情に詳しい複数の当局者によれば、ロシアによる動きにはウクライナ東部ドンバス地方で衝突を引き起こすことや、首都キエフへの攻撃が含まれる可能性がある。当局者らは匿名を条件に語った。ドンバスでは長年、ウクライナ軍と親ロシア派分離主義勢力がにらみ合いを続けている。当局者らは、15日にも何らかの行動が始まる恐れがあると述べた。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、テレグラムへの投稿で米政府の発言に強く反発。「ホワイトハウスのヒステリーがこれまで以上に鮮明になった」とし、「アングロサクソンは戦争を必要としている。どんな代償を払ってもだ。挑発、偽情報、脅しは自分たちの問題を解決するための常とう手段だ」と述べた。
ロシアはこれまで、ウクライナ攻撃の計画はないと繰り返し否定している。
米当局者によると、同国政府は11日にノースカロライナ州フォートブラッグ基地から北大西洋条約機構(NATO)の同盟国ポーランドに3000人の追加派兵を命じた。ウクライナの隣国ポーランドには米本土からこれで合計5000人の派遣となる。
原題:U.S. Warns of Risk That Russia Attacks Ukraine Next Week (3)(抜粋)