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GPIF収益率2.81%と7四半期連続プラス、過去最長-10~12月

更新日時
  • 運用収益は5兆4372億円、外国株の収益率10.54%と2期ぶりプラス
  • 株式ウエート引き上げやグローバル分散投資が奏功-ニッセイ基礎研

世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2021年度10-12月(第3四半期)の運用収益はプラス2.81%の5兆4372億円となった。7四半期連続のプラスで、比較可能な08年度以降で最も長期にわたる黒字運用となる。景気対策などをてこに世界経済が回復へ向かう中、外国株式の上昇が寄与した。GPIFが4日公表した。

  米国株が史上最高値を更新する中、外国株の収益率は10.54%と2四半期ぶりにプラスとなった。外国債券も2.52%とプラスに転換。一方、国内株はマイナス1.62%と2四半期ぶりマイナス、国内債券はマイナス0.02%と3四半期ぶりにマイナスに転じた。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「第2四半期は国内の債券や株式で稼ぎ、第3四半期は外債や外国株で収益を上げた。国内債券の比率を落として株式のウエートを高めたことや、グローバルに分散投資を進めてきたことが功を奏している」と指摘した。

10-12月収益額収益率
運用資産全体5兆4372億円2.81%
 国内債券-75億円-0.02%(-0.07%)
 国内株式-8081億円-1.62%(-1.69%)
 外国債券1兆2072億円2.52%(2.51%)
 外国株式5兆456億円10.54%(10.92%)

外国株式が寄与

出所:GPIF(単位:兆円)

   昨年12月末時点の運用資産額は199兆2518億円と、9月末時点の194兆1197億円を上回り過去最高となった。市場運用を開始した01年度からの累積の収益率(年率)はプラス3.79%、収益額は107兆6319億円。

  10-12月に外国株は上昇。MSCIオールカントリー・ワールド指数は6.4%高だった。経済活動再開による景気回復と好調な企業業績のほか、オミクロン変異株の重症化リスクがデルタ株よりも低いとの見方が広がったことなどから、米国ではS&P500種株価指数が12月に過去最高値を付けた。一方、東証株価指数(TOPIX)は同期間に1.9%安だった。円相場は同期間に対ドルで3.3%安、ユーロに対しては1.5%下落した。

  井出氏は、欧米の中央銀行が金融政策の正常化に動く中、「株価が今後さらに下落するリスクがあることには注意すべきだ。特に米連邦準備制度理事会(FRB)が正常化を急いで景気の腰折れを招けば、株価の下落局面が長引くことも予想される」と語った。

資産構成割合21年12月末9月末6月末3月末20年12月末
国内債券24.95%26.79%25.39%25.92%23.64%
国内株式24.92%25.03%24.49%24.58%25.28%
外国債券(為替ヘッジなし)24.46%24.17%24.72%24.61%25.71%
外国株式25.68%24.01%25.41%24.89%25.36%
オルタナティブ(代替)資産0.92%0.82%0.76%0.70%0.67%

注:為替ヘッジ付き外国債券及び円建て短期資産は国内債券に区分。外貨建て短期資産は外国債券に区分

  資産構成割合は、外国の株式と債券が9月末と比べて上昇した一方、国内の株式と債券は縮小した。国内外を合わせた構成割合は株式が50.60%と、9月末の49.04%から上昇、債券は49.40%で50.96%から低下した。

  株や債券といった伝統的資産以外のオルタナティブ(代替)資産の全体に占める割合は0.92%(9月末0.82%)に増えた。

  GPIFは長期の実質的な運用利回り目標として賃金上昇率を1.7%上回る水準に設定している。20年度からは国内外の債券と株式に25%ずつ振り向ける基本ポートフォリオに基づき運用。金利低下に伴い国内債券の割合を減らし、外国債券の比率を引き上げた。  

GPIFの運用収益率

出所:GPIF

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