ユーロ圏インフレ率、1月は5.1%に加速-前月に続き過去最高更新
Alexander Weber-
予想中央値は4.4%への鈍化、インフレ加速の予想はゼロ
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コアインフレ率は2.3%、前月の2.6%から低下

ユーロ圏の1月のインフレ率は予想外に前月から加速し、過去最高を更新した。新型コロナウイルス禍で投入した支援策の縮小を米国や英国よりも緩やかに進めたいと考える欧州中央銀行(ECB)にとって新たな試練が突き付けられた。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した1月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比で5.1%上昇と、それまでの最高だった前月の5%上昇から加速した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト44人の予想中央値は4.4%上昇への鈍化。インフレ加速を予想した回答者は1人もいなかった。
1月のユーロ圏消費者物価指数:速報値(表)

エネルギーコストの上昇がユーロ圏内の物価を大きく押し上げた。エネルギーや食料品など変動の激しい項目を除くコアインフレ率は2.3%と、前月の2.6%から低下した。
このインフレ統計で短期金融市場はECBの利上げ見通しを前倒しし、7月の10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げを織り込んだ。ユーロは上げ幅を拡大し、0.4%高の1.1315ドルに達した。
ダンスケ銀行のチーフストラテジスト、ピエト・クリスティアンセン氏は、ECBとラガルド総裁には3日の金融政策発表後の記者会見で「厳しい質問」が投げ掛けられるだろうと予想。「3月会合では予測が上方修正されるとみている。これは金融政策の見通しを見極める上で重要だ」とした上で、「ラガルド総裁が新たな予測のために時間を稼ぎたいと考えるリスクもある」と指摘した。
January Surprise
Euro-area inflation unexpectedly accelerated last month
Source: Eurostat
原題:Euro-Zone Inflation Unexpectedly Hits Record, Pressuring ECB (1)(抜粋)